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全裸刑事チャーリー

著者:七尾与史



ヌーディスト法が成立して1年。全裸生活が認められた日本であったが、それに反対する勢力も強い。そんな中、警視庁でもそんな流れに乗る者が……。茶理太郎。通称・チャーリー。捜査一課強行犯第5係に属する全裸刑事に、部下の七尾は振り回されることとなって……
という連作短編集。全15編収録。
…………これ、どうしよう…………
正直なところ、どう感想を書けば良いのか全く分からない。
なんか、ミステリー小説っぽい設定になっているけど、ミステリー小説ではない。一応、チャーリーと七尾が、事件の捜査に当たって、という展開が殆どの話で繰り広げられるのだけど、アリバイがどうとか、トリックがどうとか、そういうものは皆無。ただただ、訳の分からない世界観でのやりとりを見せつけられる、という部分の方が強い感じがする。
とにかく思うのは、よくもまぁ、こんな話を15編も作ったなぁ、という感じだろうか。
ヌーディスト法が成立し、全裸生活をしてよい、ということになった、までは良いだろう。警視庁初の全裸刑事であるチャーリーと、その部下・七尾の元には、ヌーディストの事件ばかり回ってくる、も、まぁわかる。ただ、当初は反対勢力が強かった日本だが、時間の経過の中、ヌーディストの力が強くなっていき、スーツを着込んでいる七尾こそ異端に……
そして、そのヌーディストの力が強くなっていくうちに、様々なチン妙な政策たら何やらが成立していく。健康チン断だったり、指紋やDNAなどと並ぶ証拠物品であるチン紋、新たな人権であるチン像権……。いや、こうやって書いてみるとすっげー馬鹿馬鹿しい設定がこれでもか、と。しかも、字面からわかるように、ひたすら男性のアレにばかりネタの焦点を当てていく。一体、著者を突き動かしたのはなになのだろう? と思えるほどに。
私は、この本を一気に読んだのだけど、各編は10頁から長いものでも30頁くらい。立て続けに読んでいると、流石にちょっと食傷気味になっていくので、ちょっとずつ読んだ方が楽しめる……かもしれない。

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Tag:小説感想七尾与史

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