今日も生きててえらい！ ～甘々完璧美少女と３LDK 同棲生活～

著者：岸本和葉



両親を喪い、生活費のために年齢を偽っての労働に勤しむ稲森春幸。だが、深夜のアルバイト中、暴漢に絡まれたクラスメイトのお嬢様・東城冬季を助けたことで失職してしまう。そんな春幸に冬季がかけた言葉は……「私と結婚してくださいませんか？」というもので……
最近、こういう作品も多いよね……という感じかな？
物語は、冒頭に書いたような形で職を喪った春幸に、冬季が声をかけるところから。いきなりのプロポーズについては、暴漢から助けてくれたから、だけではなくてそれ以前から春幸を知っており、そんな春幸を好きだったから。いつも一生懸命で、しかも、周囲に優しい。だからこそ、そんな春幸を甘やかしたい。やがて、親の会社を継ぐこともわかっているので、仕事で疲れた自分を癒してくれる「ヒモ」でも良いから……。そんな申出に、春幸は一か月の「お試し期間」の同棲をすることになって……という話。
これまでの生活はそもそも無理がったのは事実で、癒してくれた冬季に対して惹かれる部分もある。その一方で、それで良いのか？　というのもあるし「ヒモになって」と言われても……という思いもある。この辺りは凄く真面目。そんな中、冬季と同棲している、というのがバレないようにする、っていう苦労もある。しかも、冬季はこの一カ月の間に……と色仕掛けを仕掛けてきたり何なり……。お約束の展開とは言えるのだけど、上手くまとまっているとは思う。
ただ、冬季との関係がバレたところで、周囲の男性陣が興味本位でで「付き合ってるの？」とかまとわりついてくるならまだわかるのだけど、完全にやっかみで攻撃し始めるとか、ちょっと極端すぎないか？　という気がする。そして、その解決策も……それで解消される部分もあるにはあるだろうけど、逆に「調子に乗ってる」とかって攻撃されるケースもあるんじゃないかな？　元々の設定が設定なので、リアリティっていうのをどこまで求めるのか、っていうのはあるんだけど、ちょっと極端すぎないか、と感じられる。極端な展開から、でも、その中で普通の感覚の主人公が……というところでバランスを取っていたように感じられるので、終盤、再び極端に物語が展開することで違和感を覚えてしまった。
ちょっと自分にはあわなかったかな？

Ｎｏ．６１２７


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