著者:紺野千昭


門の向こうに広がる未知の世界・迷界。そんな迷界で生存困難となった者を救うスペシャリスト・救助屋。高い能力と、しかし、法外な値段を吹っ掛けるため「ハイエナ」と呼ばれる彼の元に、迷界に向かった親友を助けてほしい、という少女・アウラが現れて……
うん、この作品好きだ!
アウラの親友を救助するために迷界へと行くことになったユーリ。しかし、アウラの条件は自分も同行すること。こうして、ユーリとアウラの迷界探索が始まる、という流れに。
この作品、何よりもいいのは、この「迷界」の多彩さ、とでもいうべきもの。「迷界」と一言でいうものの、その途中途中で全く異なった様相を見せる。行く場所、行く場所で色々とルールが違ったり、なんていうのは旅モノと言われるような作品のお約束ではある。ただ、この作品の場合、その各場所では文字通り、物理法則からして違っていたり、という異世界。勿論、命がけの冒険をする必要がある。だからこそ、そこを通過するためにしっかりとした準備が必要になる。序盤、親友を救いたいから、というアウラに対しても、時間をかけて準備をさせるなんていう場面があるのだけど、これを呼んでいると、それをしっかりと理解することができる。
そして、迷界初心者であるアウラと、そこで活躍するユーリという組み合わせも上手い。世界観が違う、という場合、その世界観を読者に理解させる必要があるのだけど、この組み合わせにすることで、ユーリがガイドとなるため、となり読者もすんなり理解できる。それが物語のテンポの良さにも繋がっているし。
勿論、その中で徐々にアウラとユーリの距離も近づき、そして、アウラの抱えているものなども明らかになって……
こういう風に書くと、かなり色々と詰め込まれているように見えると思う。実際、結構、設定とか、そういうものは物語の中に詰め込まれている。でも、様々な工夫によって、それを詰め込み過ぎと感じさせず、しかも、冒険を通して一つの物語としてまとめ上げている。著者の技術というか、力量というか、そういうものがしっかりとしているからこその物語だと思う。
No.6212

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
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門の向こうに広がる未知の世界・迷界。そんな迷界で生存困難となった者を救うスペシャリスト・救助屋。高い能力と、しかし、法外な値段を吹っ掛けるため「ハイエナ」と呼ばれる彼の元に、迷界に向かった親友を助けてほしい、という少女・アウラが現れて……
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アウラの親友を救助するために迷界へと行くことになったユーリ。しかし、アウラの条件は自分も同行すること。こうして、ユーリとアウラの迷界探索が始まる、という流れに。
この作品、何よりもいいのは、この「迷界」の多彩さ、とでもいうべきもの。「迷界」と一言でいうものの、その途中途中で全く異なった様相を見せる。行く場所、行く場所で色々とルールが違ったり、なんていうのは旅モノと言われるような作品のお約束ではある。ただ、この作品の場合、その各場所では文字通り、物理法則からして違っていたり、という異世界。勿論、命がけの冒険をする必要がある。だからこそ、そこを通過するためにしっかりとした準備が必要になる。序盤、親友を救いたいから、というアウラに対しても、時間をかけて準備をさせるなんていう場面があるのだけど、これを呼んでいると、それをしっかりと理解することができる。
そして、迷界初心者であるアウラと、そこで活躍するユーリという組み合わせも上手い。世界観が違う、という場合、その世界観を読者に理解させる必要があるのだけど、この組み合わせにすることで、ユーリがガイドとなるため、となり読者もすんなり理解できる。それが物語のテンポの良さにも繋がっているし。
勿論、その中で徐々にアウラとユーリの距離も近づき、そして、アウラの抱えているものなども明らかになって……
こういう風に書くと、かなり色々と詰め込まれているように見えると思う。実際、結構、設定とか、そういうものは物語の中に詰め込まれている。でも、様々な工夫によって、それを詰め込み過ぎと感じさせず、しかも、冒険を通して一つの物語としてまとめ上げている。著者の技術というか、力量というか、そういうものがしっかりとしているからこその物語だと思う。
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