著者:蒼井上鷹
表題作を含めた12作を収めた短編集。
作品の構成そのものは、『九杯目には早すぎる』同様、一般的な短編と、文字通りのショートショートが交じって構成されている。そして、今作は、それぞれの話の間にちょっとした繋がりが施されている。
『九杯目には早すぎる』のときもそうなのだけれども、そnショートショートのブラックな笑いが何とも魅力的。誘拐された少年の想いを綴った『値段は五千万円』の「あ…」と言うラスト。何ともいえない後味の残る『私のお気に入り』、プライドっていうものの恐ろしさを感じさせる『冷たい水が背筋に』など、極めて短いながらも、強烈なインパクトを残してくれる。
物語としての捻りとしては、『野菜ジュースにソースを二滴』、『天職』辺りが好き。特に、『天職』などは、ずっと一人語りで、オチで取ったとわかる行動と同じような気分になるのではないかと思う。その辺りに上手さを感じた。
蒼井氏の作品を読むのはこれで3作目だが、やはり、この3作を読む限り、短編の名手ではないか、というように思う。
通算1293冊目

![]() | 二枚舌は極楽へ行く (FUTABA・NOVELS) (2006/10) 蒼井 上鷹 商品詳細を見る |
表題作を含めた12作を収めた短編集。
作品の構成そのものは、『九杯目には早すぎる』同様、一般的な短編と、文字通りのショートショートが交じって構成されている。そして、今作は、それぞれの話の間にちょっとした繋がりが施されている。
『九杯目には早すぎる』のときもそうなのだけれども、そnショートショートのブラックな笑いが何とも魅力的。誘拐された少年の想いを綴った『値段は五千万円』の「あ…」と言うラスト。何ともいえない後味の残る『私のお気に入り』、プライドっていうものの恐ろしさを感じさせる『冷たい水が背筋に』など、極めて短いながらも、強烈なインパクトを残してくれる。
物語としての捻りとしては、『野菜ジュースにソースを二滴』、『天職』辺りが好き。特に、『天職』などは、ずっと一人語りで、オチで取ったとわかる行動と同じような気分になるのではないかと思う。その辺りに上手さを感じた。
蒼井氏の作品を読むのはこれで3作目だが、やはり、この3作を読む限り、短編の名手ではないか、というように思う。
通算1293冊目

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