著者:志駕晃


介護士として働く小山葉子。ある日、そんな彼女の元へ「責任をとれ」「親としての責任をとれ」という嫌がらせのようなメッセージが数多く届く。その原因は、彼の息子・小山雅也の行動について。5年前、高校を中退して東京へと出て行った息子が、炎上系配信者としてトラブルを起こしているらしい。葉子は、息子と会うために東京・歌舞伎町へ向かうが、息子とされる配信者ピエロマンは数日前から音信不通になっているらしく……
なんか、色々と詰め込んではいるのだけど、詰め込み過ぎで消化不良感が……
5年前に上京したきり、音信普通の息子が迷惑系配信者に? そもそも、そういう配信者というもの事態がよくわからないままに歌舞伎町に向かった葉子。しかし、息子(と思しき人物)は行方不明。しかも、その配信の中で半グレ集団とトラブルを起こしており、その結果、誘拐された可能性もあるという。そして、部屋には麻薬と思しきものが……。導入部分は悪くない。悪くないのだけど……
警察に失踪届を出し、トラブルを抱えていたらしい、ということはわかるが、その後は、そのピエロマンの関係者から聞き込みをし、また、その仲間の勧めもあり「ピエロマンの母」として配信を始めることに……。そんな中、ピエロマンの日記として、過去の話などを知って……と話が進んでいくのだけど、なんか、物語として葉子がひたすらに流されるまま、という感じがしてどうにも没入できなかった。
そもそもの問題として、葉子が配信者とか、そういうのに疎いのはわかるのだけど、良くも悪くも周囲を信じすぎじゃないか? と思えてならない。少なくとも、自分だったら色々と疑ってみるだろうし(そもそも、当初は、葉子も息子が問題を起こしている、というのも信じていなかったわけだし)、少なくとも確実にこうだ、という部分を探すんじゃないかな? と思うのだけど、そういうのがないままに話が進んでしまう。
故に、終盤のひっくり返しも……個人的には「やっぱり」という感じだった。分量としては270頁。ただ、後日談が30頁くらいなので、実質240頁あまりの分量。その分量で、これだけの題材を入れるのはちょっと無理があったんじゃないか、という気がしてならない。
No.6284

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
介護士として働く小山葉子。ある日、そんな彼女の元へ「責任をとれ」「親としての責任をとれ」という嫌がらせのようなメッセージが数多く届く。その原因は、彼の息子・小山雅也の行動について。5年前、高校を中退して東京へと出て行った息子が、炎上系配信者としてトラブルを起こしているらしい。葉子は、息子と会うために東京・歌舞伎町へ向かうが、息子とされる配信者ピエロマンは数日前から音信不通になっているらしく……
なんか、色々と詰め込んではいるのだけど、詰め込み過ぎで消化不良感が……
5年前に上京したきり、音信普通の息子が迷惑系配信者に? そもそも、そういう配信者というもの事態がよくわからないままに歌舞伎町に向かった葉子。しかし、息子(と思しき人物)は行方不明。しかも、その配信の中で半グレ集団とトラブルを起こしており、その結果、誘拐された可能性もあるという。そして、部屋には麻薬と思しきものが……。導入部分は悪くない。悪くないのだけど……
警察に失踪届を出し、トラブルを抱えていたらしい、ということはわかるが、その後は、そのピエロマンの関係者から聞き込みをし、また、その仲間の勧めもあり「ピエロマンの母」として配信を始めることに……。そんな中、ピエロマンの日記として、過去の話などを知って……と話が進んでいくのだけど、なんか、物語として葉子がひたすらに流されるまま、という感じがしてどうにも没入できなかった。
そもそもの問題として、葉子が配信者とか、そういうのに疎いのはわかるのだけど、良くも悪くも周囲を信じすぎじゃないか? と思えてならない。少なくとも、自分だったら色々と疑ってみるだろうし(そもそも、当初は、葉子も息子が問題を起こしている、というのも信じていなかったわけだし)、少なくとも確実にこうだ、という部分を探すんじゃないかな? と思うのだけど、そういうのがないままに話が進んでしまう。
故に、終盤のひっくり返しも……個人的には「やっぱり」という感じだった。分量としては270頁。ただ、後日談が30頁くらいなので、実質240頁あまりの分量。その分量で、これだけの題材を入れるのはちょっと無理があったんじゃないか、という気がしてならない。
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