fc2ブログ

ミミクリー・ガールズ

著者:ひたき



人工素体技術、通称「ミミック」。その技術が開発され、幾数年……。作戦中の事故により、重傷を負ってしまったクリス・アームストロング大尉は素体化手術を受け、目が覚めると……なぜか美少女の姿に! 混乱するクリス……改めクリスティに下ったのは、同じような少女素体4人の即席チームで、犯罪者組織に狙われた大統領の娘の護衛任務で……
第28回電撃小説大賞・銀賞受賞作。
見た目は幼女、中身はオッサン!
……というか、読んでいる最中、ずっと思っていたんだけど、著者、絶対に昔のハリウッド映画とか好きだと思う。
物語は、冒頭に書いたように、人口素体化手術を受け、幼女化してしまった軍人・クリスが、同様の状況にある仲間3人と、犯罪者組織に狙われている大統領の娘を警護してドンパチやる話。物語の基本は、先に書いたように昔のハリウッド映画のアクションモノそのもの。何よりも、主人公であるクリス自身がそういう作品が大好きで、何かにつけて映画の話をしたりとかしてくるし、間違いなく意識しているのは確か。
ただ、それを幼女姿のおっさんがやる、っていうのが何よりも楽しい。
クリスが軍人としての心得を教わったマーリンは、自分よりも年上だけど、なぜか幼女化を受け入れて……どころか、それを楽しむような情況。心は元のままだから、(マッチョな)軍人として振舞いたいけれども、見た目が幼女なために格好がつかない……どころか、それじゃ変ということで、大統領の娘と年相応の友達として振舞わねばならないときの葛藤。そんなクリスの本来の姿を知っているからこそ言われるツッコミ。犯罪組織との戦い、というアクションシーンはしっかりとしつつ、でも、その振る舞いとか、そういうところでクスリと笑わせてくるというバランスの良さはすごく好き。
そして、任務を完了させたときにクリスが告げられる真相。
……確かに、この世界であれば、そういうこともあってしかるべきなんだよな。
このオチも含めて、とにかく、ひたすら「楽しい」という気持ちで読めた。

No.6285

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。

スポンサーサイト



Tag:小説感想電撃文庫ひたき

COMMENT 0