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夢探偵フロイト 邪神が売る殺意

著者:内藤了



単位取得、卒業の見込みも見えてきて、遅ればせながら就職活動を始めたあかね。しかし、上手くいかずに落ちこみがちな日々。そんな中、夢科学研究所に「夢が売られている」という情報が……。調べてみるとフリマアプリには確かにそれが……。どうやって夢を見せるのか? 興味を惹かれたフロイト教授は、実際にそれを購入してみることにして……
シリーズ第3作。
留年かも、という状況だったので仕方がないのだけど、ようやくあかねは就職活動始めたのね……っていうのがまず第一。このシリーズ、第5作で完結っていうことになったらしいのだけど、そういうのが出てくると、やっぱり完結っていうのを意識せざるを得ないな、と感じる。
ただ、今回は、これまでのシリーズの中でも、ある意味では地味。しかし、(実際に正しいのかどうかは判断できないけど)科学的な考察とか、そういうものを重視したエピソードだったな、という風に感じる。
冒頭に書いたような形で、フリマアプリで「夢」を購入することにした夢研究所。しかし、大学研究室からの購入申し込みは拒否されてしまう。これはインチキ? そこで、フロイト教授、あかねが、それぞれ個人名で購入することに。フロイトは「凶夢」、あかねは「吉夢」を購入。しかし、いざ届いた品は、なぜか逆に……。そして、それを手にした直後、あかね、オタ森は、それぞれ「凶夢」「吉夢」を見て……
商品として送られてきたもの。特に、凶夢として送られてきたのは、血まみれの歯という禍々しいもの。それは一体何なのか? そして、何で、その直後に、実際に「凶夢」を見たのか……。この辺りについて、フロイト教授がしっかりと解説をするのだけど、ここは素直に「なるほど」と納得できた。
そして、そんな考察をしている中、その「夢」を購入した人が事件を起こし、さらにあかねの周辺でもおかしなことが起こって……
この辺りも超常現象に逃げたりすることなく、しっかりと合理的な形で解答が用意されており、違和感なく読み終えることができた。
まぁ、その犯人の登場とかについて、もうちょっとじっくりと書いてもよかった気はするけど、それを差し引いても楽しく読むことができた。

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Tag:小説感想内藤了

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