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世界の愛し方を教えて

著者:ヰ坂暁



映画が好きで、父に対して恨みを持つ少年・灰村昴。彼は有沢ニヒサが線路に飛び込もうとするところに居合わせる。異世界人であり、人気女優。人に愛される彼女が死を選ぼうとしたことに困惑する昴だったが、その裏には……
うーん……正直なところ、すごく読みづらかった。
物語の舞台設定として、「異世界病」という病の存在がある。この作品世界には異世界が存在し、その「異世界病」になると自分の意識は異世界へと移り、一方で、自分の肉体には異世界人の意識が宿る。そして、本作のヒロインである有沢ニヒサはその異世界人の意識がとりついた存在。そして、その肉体は、主人公である昴が親しくしていた有沢アテナのもの。なので、昴はニヒサを憎んでいた……
この作品の中の、異世界人の存在に関するアレコレとかは確かに面白かった。
意識が入れ替わり、別の世界、別の文化からの存在。だからこそ、そんなニヒサは、その突拍子もないコメントなどが受けて人気者に。しかも、昴が「こびている」というようなとにかく前向きなコメント、言動も人気を博していた。意識は異世界の人間、しかし、肉体はこの世界の存在。しかも、意識が元に戻ることもある。自分の肉体であるはずなのに、自分のものではない。例えば、結婚をして子供ができたときに、意識が元に戻ったら……そんなこともあり得るから。そのジレンマ。さらに、ニヒサを受け入れていた世界だけど、それはあくまでも「ゲスト」的なものであり、この世界の要望から外れたときは……
そして、昴が「こびている」と見たニヒサの行動の背景にあったもの……
そういう部分はなかなか考えさせるし、また、面白くもあった。
ただ……作中の時系列とかが結構、頻繁に入れ替わるので「あれ?」と思うところが多く、なかなか集中できない。しかも、そのニヒサの背景などを知った後の昴とニヒサの行動が、色々とぶっ飛んだ方向へ突き進んでいくためにどうも入り込みづらい。
結末部分の、皮肉な部分が明らかになって多少は、そうだったのか、と思う部分はあるのだけど、それでもマイナスに感じたところはぬぐい切れなかったかな、という印象。

No.6316

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Tag:小説感想講談社タイガヰ坂暁

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