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楽園ノイズ5

著者:杉井光



「私の彼女の振りをして」 姉のそんな意味不明な言葉で始まった3月。卒業と入学の時期だが、その前にやってくるのはホワイトデー。そして、その後にやってくるのは、伽耶の卒業で……
書籍の粗筋に「音楽控えめ」とあるんだけど、まさに、そんな感じの日常エピソード(?)中心。
PNOの活動が活発化し、マネージャーが必要なのではないか? というようなことも起こりつつある状況。そんな中で、朱音にアイドルとしてのオファーが来て、プロダクションに一緒に行く。その一方で、凛子はなぜか新居の内覧へ同行を求められたり……と、順繰りでのデート……っぽいもの。「新しいスタジオを」と言いながら、なぜか女子寮で、真琴も女装すれば一緒に家に住めるんじゃないか、とかかなりの無茶ぶりっぷり。そして迎えるホワイトデー。基本、朴念仁の真琴が、姉の勧めで送ったのは……
わかっているんだけど、この真琴の空気の読めなさは見事だよな。
ただ、一応、この巻で1年生編完結となるわけだけど、1年生編という段階でも、時間の進み、というのが印象的。PNOが大きくなっていく中で、自分たちだけで諸々を管理するのには限界がある。一方で、まだ受験までは時間があるといえ、卒業後にどうするのか? というような問題もある。凛子が、というのも、それを意識してのもの。さらに、朱音へのオファーというのも他の分野へ、という周囲の誘いがあるということ。周囲の面々の真琴へのアピールと、朴念仁な真琴で、大分オブラートに包まれた感はあるけど、どうしても、そういう変化というのを考えざるを得ない。
という日常会の中で迫るのは伽耶の中学卒業。中間一貫校から、外部への進学。学校で卒業式がないなら……と、ライブをするはずが、真琴は曲が書けなくなってしまう。それは、恩師で、入院中の花園先生からの連絡が途絶えたこと……
「音楽控えめ」とはいうけれども、やっぱり最終的にはそこへと戻っていく。
これまで、「〇〇のため」というような曲には否定的だった真琴。しかし、伽耶の卒業ライブのため。花園先生への想い。そういうものが募っていき……。そして、その結末もまた……
ある意味、高校2年くらいの、変化は身近に感じる。けれども、まだ何をすべきなのか? そういう心情と重なるようなものも感じたりした。

No.6318

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Tag:小説感想電撃文庫杉井光

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