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透明な螺旋

著者:東野圭吾



房総沖で男性の銃殺体が発見される。その男性の同棲女性の元へ向かう警視庁の草薙たちだが、その女性は失踪していた。女性が世話になっていた、という絵本作家の存在を発見する草薙だが、その作家もまた音信不通。そして、その作家の絵本の参考文献には、物理学者・湯川学の名があり……
ということで、湯川シリーズというか、ガリレオシリーズの第10作。
面白い、と言えば面白い。湯川の掘り下げ、という部分でも意味がある。あるんだけど、このシリーズでこれをやられても、と思ってしまう自分がいる。
冒頭に書いたように、房総沖で発見された銃殺体。その死者・上辻は、フリーの映像クリエイターというが、プライドが高く、会社内でトラブルを起こして退社。そして、現在は事実上の無職状態らしい。そんな上辻と同棲していた園香。園香が世話になっていた作家・奈江もまた失踪していた……。そして、奈江の本には湯川の名が……。湯川に協力を求め、一度は断られるものの「自分のやり方で」という湯川だが……
上辻と園香の関係性。当然、上辻の事件が起きた中で失踪した園香は重要な参考人。だが、その行方はわからないまま。暗中模索で園香を調べる中、その出生の秘密、スカウトされていた銀座のクラブのママ……などの情報が浮かび上がってくる。しかし、それでも園香がどこにいるのか、ということにはたどり着けない。そこには手引きをする存在が……。今の状況を鑑みて、その手引きをしている存在がいるとしたら、それは……湯川?
湯川に対して湧き上がる疑念。しかし、それでも……という思いの中で揺れ動く草薙。そんな状況でも少しづつ真相に近づいていき……
湯川の掘り下げ部分とかは、間違いなくシリーズを重ねたからこそ描けるものであるし、失踪した女性を巡っての捜索というのも悪くない。悪くないのだけど、このシリーズの売りである物理学的な謎解きとかが全くない、ということがどうにも引っかかる。話としては綺麗にまとまっているのだけど、なんか「これじゃない!」感も覚えてしまう。
単独の作品としての出来、と言うよりも、シリーズのファンとして色々と思うところあり、というよう感じの読後感だった。

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Tag:小説感想東野圭吾

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