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夏休みの空欄探し

著者:似鳥鶏



部員2人のクイズ同好会の会長・成田頼伸(ライ)は、クラスの人気者である成田清春(キヨ)との比較でいつも「じゃない方」と呼ばれている。雑学などを知っていても「役に立たない」と言われるライは、ある日、ファストフード店で暗号解読に挑む姉妹と出会う。解答を示して立ち去るつもりだったが、姉妹から手伝ってほしいと請われ、さらにそこにキヨまで加わることとなって……
最初に言うと……「暗号解読」が全くわからなかった! いや、こういうのってまずセオリーとか、パターンとかそういうのがあって、解くためにはその知識が必要。そして、主人公のライはそれを知っているところから始まるため、解説はされるのだけど問題を見て、「よし、自分で解いてみよう!」って感じにはならなかったなあ……
ということで、粗筋にも書いた通り、ファストフード店で暗号解読ゲームをしている姉妹に出会う。その暗号は、とある資産家の遺産の隠し場所を示したもの。そこで、ライは、雨音、七輝の姉妹と共にその遺産の場所を探すことに。ところが、そこにキヨまで加わってしまう。暗号が示す場所にたどり着くと、次なる暗号が。そして、それを解くと、また次の……と言う風に繋がっていって……
と、まぁ、暗号解読ゲームを中心に物語が進んでいくわけだけど、むしろ主題はその中でのそれぞれの葛藤なのかな? と。
クイズ研究会に所属し、謎解き、というのを楽しむライ。しかし、知識があってもそれが勉学に生かせるわけじゃないし、学校で人気になれるわけでもないし、むしろ暗い、役立たず、とすら言われてしまう。そんな彼が同じような趣味を持った姉妹と意気投合し、そして、妹・七輝に惹かれていく。だが、キヨまで加わったことで、ますます劣等感が……
……が、一方のキヨはキヨでやはり劣等感を。クラスの人気者で、色々な話題にも入れる。しかし、ライと姉妹のやり取りには全く入れない。効率よく、役に立つことを、という主義だった彼だが、自分は表面だけ、なのでは? とすら思える。特に、姉妹の姉・雨音に惹かれてしまったからこそ……
どちらが良くて、どちらが悪い、とかじゃなくて、互いに持っている劣等感。互いにそのことを知り、少しずつ打ち解けていく様は、(現実では、そうならないよな、と思いつつも)面白かった。そして、だんだんと謎解きが進み、遠方への旅へ、と進んでいくが、そこで突然、姉妹から距離を置かれてしまって……
謎解きゲームそのものの謎。姉妹が離れた理由。こういう作品を読んでいれば、そこに意外だ、という感じはないのだけど、やはりライ、キヨらのような思いがあったのだな、というのが明かされる。そこまで読むと、ネット、SNSなどの普及で世界中と繋がることが出来る、なんていうけれども、それでは……。そんなことも余韻として残った。
……そんな感想をネットにUPしている自分がいたりするわけだけど……

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Tag:小説感想似鳥鶏

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