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VTuberのマイクに転身したら、推しが借金まみれのクズだった

著者:小路燦



三樹春人は気づいたら推しVTuber・加々宮エリンのマイクになっていた。推しを間近に感じられてラッキー……と思っていたら、彼女は借金まみれ、ギャンブル好きのクズだった! しかも、取り立て屋のリアル凸を、春人がミュートオフにしたことで一気に話題の的になって……
いや~……すげぇ楽しかった!
タイトルには、主人公の春人がマイクになって……とあるのだけど、物語の発端となる借金取りが来たときにミュートオフにした。そして、終盤にもう1回同じようなことをして、というのがあるのみ。あとは、エリンの中の人(実は春人のバイト先の同僚)にバイトの休憩時間に「一般論として」今後の活動方針のヒントを出すくらい。それ以外は、春人自身はほとんど話に関わらず、配信中の出来事を描く形で綴られる。
で、その配信の様子が楽しすぎる。
タイトルでもあるのだけど、このエリンって基本的にクズ。『不思議の国のアリス』の世界からやってきたウサギ耳のメイド……という設定で、おしとやかな人物としてやっていたのだけど、例の借金取りの登場で本当に多額の借金を抱えている、と判明し、一躍、注目の的に。そこからは、基本的な喋りとかはおしとやかなことを言っているように見えて、中身をよく見ると……。ファンネームを「連帯保証人」にしたりとか、すぐにギャンブルで一攫千金的な発想をしたり……とクズの片鱗を見せるような会話が……。そんな言葉に的確なツッコミを入れるコメントなどが。この辺り、YouTubeとかのライブを見ているような感覚があって楽しい。
さらに、人気が出る中で他のVTuberとのコラボとかも始まるのだけど、その相手もかなりキャラが強く、これも楽しい。
個人的に一番笑ったのは、ASMR。それ、絶対にASMRちゃう! でも、そのツッコミどころ満載で大笑い。本当、実際にASMRだと思って聞いたら「俺は一体、何を聞かされているのだろう?」という気分になったことだろう。
クズなキャラのエリン。でも、クズではあっても、決して不愉快なタイプではなくて、仕方がない奴だな、と思いながら笑って楽しめる。エリンの配信を聞く面々も、それをわかっていて暖かく(?)、それを見守る。その空気感がすごく楽しかった。

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Tag:小説感想角川スニーカー文庫小路燦

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