fc2ブログ

となりの悪の大幹部!

著者:佐伯庸介



街に蔓延る悪を討つ万色戦隊バンショクジャー。悪の秘密組織・クリアードを壊滅させたは良いが、散発的に現れる怪人との戦いに明け暮れる日々。そのバンショクジャーのメンバー・グリーンであり、昼は高校の非常勤教師でもある草間ミドリの隣の部屋にセクシーなお姉さん・久里アシェラーと、その娘・タラタットが越してきた。帰宅時を共にしたり、一緒に買い物をしたり、と親子との付き合いが始まるのだが、二人は壊滅させたクリアードの大幹部で?
結構、アッサリと正体バレしたなぁ、というのをまず思ったり。
冒頭に書いたように、ミドリの隣家に越してきたセクシーなお姉さん・アシェリー。隣家、というだけでなく、行動を共にしながらも互いに惹かれていくものの、ふと気づく。アシェリーって、壊滅させた組織の幹部じゃないか? そして、娘のタラタットは正体不明だったその首領では? そんな疑念を持ちながらも……と思ったら、第1章が終わった時点で互いに正体が判明。もっと、相手は? というところをメインにしたドタバタラブコメかと思っていたので、ちょっと予想外。
しかも、アシェリーらは、戦いに敗れていたため、力を失っており敵対する意思なし。そんな中で、新たに現れた怪人たちはどんどん強くなってきて……。ただ、ミドリの仲間の戦隊メインバーも理解がある面々で、バレたら? 的な部分は薄かったかな。
そんな中での見どころは、アシェリーかな? セクシー系な見た目で、でも、近い距離で接してきて、いざというときは……。しかも、クールに見えて、バンショクジャーの食玩が職場のスーパーで売り始められ、グリーンのものだけ売れ残りそうになった自分で買い占め。挙句、最終的にこじらせまくってのとんでもない宣言……と設定を盛りすぎなくらいに盛り込まれたキャラに笑わせてもらった。
その上で、著者があとがきでテーマとしている「信じること」。考えてみると、今回の話、ミドリとアシェリーの関係もそうだし、逆に敵対することとなる敵の強さっていうのもそこになるんだよな。ちょっと期待していた展開とは違うのだけど、テーマ性、アシェリーの色々と詰め込まれまくった設定を楽しめた。

No.6361

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



Tag:小説感想電撃文庫佐伯庸介

COMMENT 0