原案・イラスト:きただりょうま
著者:穂積潜


見知らぬ女子高生に監禁された出来事から3年あまり。今となっては見知った顔となった此方も高校3年生になった。その時の出来事を元とした漫画も順調。アニメ化という話も持ち上がってきた。だが、スポンサーからの納得を得るためにも、さらなる人気を集める必要が! そのため、俺が取ったのは……「此方、俺を監禁してくれないか?」
シリーズ完結編。
「監禁」という言葉は出てくるのだけど、本当、形だけという感じで、やっていることはどちらかというとイチャイチャしているだけ、という。ただ、しっかりと軌道に乗った漫画の人気をさらに上げるため、という形はとっている。そして、その中で此方、主人公ともに、自分の進むべき先に対して不安を抱えることに。
まずは此方。自分の想いというのは、主人公と共に生きること。しかし、漫画を描くことは自分にはできない。そんな中で、自分が進むべきは……。自分に何ができるのか? できることならば、主人公のアシスタントになりたい。だが、そのための進路を選ぶ、ということをなかなか親に言いだすこともできない。そんなとき、主人公の担当・ハルカに言われたのは……
一方の主人公。漫画をアニメ化するためにも必要なのは、読書アンケートで1位を取ること。しかし、敵は超人気漫画家の折尾ミロ。その壁はあまりにも高い。毎回、気合を入れて漫画を描くものの人気では及ばない。そんなときに、その折尾ミロから言われたのは……
主人公が言われた言葉って、創作をする人には特に響く一言なんじゃないかという気がする。別に創作をしているわけじゃないけど、この感想を書く、ということだって、その時の自分のテンションとかに左右されるのは間違いない。無論、人間だから当然のこと。しかし、それと作品は別のもの。捜索をする以上は、読者が何を求めているのか、自分の武器は何なのか、というのを冷静に見なければならない。此方に頼んだ新たな「監禁」がもたらしたものは……
このやりとり、ある意味でミロにとっては敵に塩を送る言葉なのだけど、それを素直に告げるミロがまず格好良いし、一方で、それを聞いて反発するでもなく、素直に自分を見つめなおす主人公もまた本気で自分に向き合っている、と感じられ、すごく良いシーンだった。そして、その先に待っていたのは……
二人が抱えたもの。それに真正面から向かい合う姿。そして、周囲の人間の協力、アドバイス。それらがしっかりと結実した良い完結編だった。
No.6373

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
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見知らぬ女子高生に監禁された出来事から3年あまり。今となっては見知った顔となった此方も高校3年生になった。その時の出来事を元とした漫画も順調。アニメ化という話も持ち上がってきた。だが、スポンサーからの納得を得るためにも、さらなる人気を集める必要が! そのため、俺が取ったのは……「此方、俺を監禁してくれないか?」
シリーズ完結編。
「監禁」という言葉は出てくるのだけど、本当、形だけという感じで、やっていることはどちらかというとイチャイチャしているだけ、という。ただ、しっかりと軌道に乗った漫画の人気をさらに上げるため、という形はとっている。そして、その中で此方、主人公ともに、自分の進むべき先に対して不安を抱えることに。
まずは此方。自分の想いというのは、主人公と共に生きること。しかし、漫画を描くことは自分にはできない。そんな中で、自分が進むべきは……。自分に何ができるのか? できることならば、主人公のアシスタントになりたい。だが、そのための進路を選ぶ、ということをなかなか親に言いだすこともできない。そんなとき、主人公の担当・ハルカに言われたのは……
一方の主人公。漫画をアニメ化するためにも必要なのは、読書アンケートで1位を取ること。しかし、敵は超人気漫画家の折尾ミロ。その壁はあまりにも高い。毎回、気合を入れて漫画を描くものの人気では及ばない。そんなときに、その折尾ミロから言われたのは……
主人公が言われた言葉って、創作をする人には特に響く一言なんじゃないかという気がする。別に創作をしているわけじゃないけど、この感想を書く、ということだって、その時の自分のテンションとかに左右されるのは間違いない。無論、人間だから当然のこと。しかし、それと作品は別のもの。捜索をする以上は、読者が何を求めているのか、自分の武器は何なのか、というのを冷静に見なければならない。此方に頼んだ新たな「監禁」がもたらしたものは……
このやりとり、ある意味でミロにとっては敵に塩を送る言葉なのだけど、それを素直に告げるミロがまず格好良いし、一方で、それを聞いて反発するでもなく、素直に自分を見つめなおす主人公もまた本気で自分に向き合っている、と感じられ、すごく良いシーンだった。そして、その先に待っていたのは……
二人が抱えたもの。それに真正面から向かい合う姿。そして、周囲の人間の協力、アドバイス。それらがしっかりと結実した良い完結編だった。
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