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夢探偵フロイト ナイトメアの殺人実験

著者:内藤了



内定も決まり、卒業に必要なものは卒論だけ。しかし、その内定先はまともな会社なのか? そんな疑念を抱くことになったあかね。そんな中、夢科学研究所に一本の連絡が。それは、介護施設で「夢の感染」が起こり、その感染者が次々と死亡している、というもの。悪夢と不眠を訴える感染者は「次はお前だ」と叫び、それを聞いた者が次の感染者になっているという。早速、調査に向かうフロイトだったが……
シリーズ第5作で、シリーズ完結編。
物語は冒頭に書いた通りなのだけど、その調査の中、調査に赴いたフロイト自身がその悪夢に「感染」してしまう。そのままでは、フロイトが悪夢によって死亡してしまう。そして、その悪夢こそが、フロイトの両親を死に導き、フロイトが夢の研究をすることとなった現象そのもの。だからこそ、フロイトは自らを被験者としてその悪夢と対峙することに……。そんな状況の中、フロイトを救うべく、夢科学研究所の面々は対策を考える。
まさに、これまでのエピソードの総決算という印象。
物語の前提として、これまではフロイト、ヲタ森、あかねの3人だった夢科学研究所に、過去のエピソードでも繋がりが出来た元「夢売り」の姫香。スポンサー企業の令嬢・翠も顔なじみに。さらに、感染する「夢」に関しても、過去の事件の中での出来事。あかねが卒論として研究している、脳波によって夢を取り出す、という技術の応用が試される。例えば、夢の感染、というものについて、元夢売りである姫香が行っていた暗示の結果ではないか、とか、そういう形で。過去のエピソードの中で出ていたものを一つ一つ、今回の謎解きに応用していく、というのはシリーズとして最初から計算していたんだろうな、というのを思わずにはいられない。
そして、そんな中で浮かび上がった悪夢の正体。その発端となる実験。東西冷戦という時代背景と、その中での非情といえる実験の悪夢。もし、発端となるものが自分なら……そりゃ、そうなるだろうという風に思う。
正直なところ、そういうものが明らかになった上での解決への道筋はかなりファンタジー色が強くなってしまった感はあるのだけど、これまでのエピソードをしっかりと踏まえたうえで、という満足感はしっかりとある完結編だった。本当、レギュラーの登場キャラクターが皆、魅力的だったし。

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Tag:小説感想内藤了

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