著者:下村敦史


がんの特効薬となり得る「幻の百合」を見つけるべく組まれた大手製薬会社の作ったアマゾン探索チーム。植物研究者の三浦は、別の目的を胸に秘めてチームに参加するが、チームはリーダーのクリフォード、ボディガードの金採掘人・ロドリゲス、植物ハンターのデニスという奇妙な組み合わせ。ひょんなことから加わることとなった女子大生のジュリアも含め、5人での探索が始まるが、デニスが起こしたトラブルからいきなり襲撃を受けることとなって……
なんか、色々と詰め込んできたな、という感じがする。
物語は、「幻の百合」を見つけるために探索に出たが、早々に船を失った三浦たちが、アマゾンの密林でサバイバルをし、ゴムの樹液採取で生計を立てる村へとたどり着き、そこで殺人が起きる、という形で展開していく。
その中で、人間側、それも現地の人々ではなく、先進国の都合によって破壊されていく自然。そんなブラジルに半ば騙されたような形で移住をし、地獄の様な日々を送った日本人移民の苦境の歴史。ゴム採取の現場での劣悪な環境。ブラジルという国の治安などの問題。そして、アマゾンで暮らす少数部族たちの問題。そういったものが次々と語られていく。勿論、それぞれは単独の問題というだけでなく、繋がりがある話ではある。あるのだけど、380頁あまりの分量で、しかも、サバイバルあり、アクションあり、殺人事件あり、探索チームの人々の秘めた思惑あり、と詰め込まれた結果、ちょっと薄味に感じられたな、という印象はどうしてもある。ちょっとネガティヴな感想になるのだけど、まずそう思ってしまった。
とはいえ、これだけ色々とある、というのは言い換えれば、次から次へと新展開となるので、「どうなる?」という次への興味にも繋がっているのは確か。実際、どこへ転がっていくのかがわからず、どんどん読み進めることが出来たのは間違いないし、タイトルの意味とか、そういう部分にも納得することが出来た。読み終わって、納得できる部分は多い。
この作品、実のところ、印象としては「B級アクション作品」という感じ。先に書いたように、アマゾンの密林などについての問題などを一応のテーマにしながら、次々と事件や危機やらが訪れて……という部分が続くのはまさに、ソレ。そして、このチームの本当の目的っていうのも……
細かい部分を気にせず、次々と転がっていく物語を楽しむエンタメ作品、という風に考えた方が楽しめる作品なのかも。
No.6376

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
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がんの特効薬となり得る「幻の百合」を見つけるべく組まれた大手製薬会社の作ったアマゾン探索チーム。植物研究者の三浦は、別の目的を胸に秘めてチームに参加するが、チームはリーダーのクリフォード、ボディガードの金採掘人・ロドリゲス、植物ハンターのデニスという奇妙な組み合わせ。ひょんなことから加わることとなった女子大生のジュリアも含め、5人での探索が始まるが、デニスが起こしたトラブルからいきなり襲撃を受けることとなって……
なんか、色々と詰め込んできたな、という感じがする。
物語は、「幻の百合」を見つけるために探索に出たが、早々に船を失った三浦たちが、アマゾンの密林でサバイバルをし、ゴムの樹液採取で生計を立てる村へとたどり着き、そこで殺人が起きる、という形で展開していく。
その中で、人間側、それも現地の人々ではなく、先進国の都合によって破壊されていく自然。そんなブラジルに半ば騙されたような形で移住をし、地獄の様な日々を送った日本人移民の苦境の歴史。ゴム採取の現場での劣悪な環境。ブラジルという国の治安などの問題。そして、アマゾンで暮らす少数部族たちの問題。そういったものが次々と語られていく。勿論、それぞれは単独の問題というだけでなく、繋がりがある話ではある。あるのだけど、380頁あまりの分量で、しかも、サバイバルあり、アクションあり、殺人事件あり、探索チームの人々の秘めた思惑あり、と詰め込まれた結果、ちょっと薄味に感じられたな、という印象はどうしてもある。ちょっとネガティヴな感想になるのだけど、まずそう思ってしまった。
とはいえ、これだけ色々とある、というのは言い換えれば、次から次へと新展開となるので、「どうなる?」という次への興味にも繋がっているのは確か。実際、どこへ転がっていくのかがわからず、どんどん読み進めることが出来たのは間違いないし、タイトルの意味とか、そういう部分にも納得することが出来た。読み終わって、納得できる部分は多い。
この作品、実のところ、印象としては「B級アクション作品」という感じ。先に書いたように、アマゾンの密林などについての問題などを一応のテーマにしながら、次々と事件や危機やらが訪れて……という部分が続くのはまさに、ソレ。そして、このチームの本当の目的っていうのも……
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