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天使は炭酸しか飲まない2

著者:丸深まろやか



柚月湊の惚れ癖を発端に広まった噂も収束しはじめた頃、久世高校の「天使」をする伊緒の元へメッセージが届く。差出人の名は御影冴華。湊と同じく、学園の三大美女と呼ばれる少女。彼女は、昔から片思いをしている幼馴染がいて、彼と結ばれたい、というのだが……
ということで、今回の物語は、新キャラである御影冴華を中心とした物語。
冒頭の粗筋では、省略したのだけど、「天使」として活動をする伊緒は、冴華の相談を受けるとともに、冴華に思いを伝えたい、という男子からの相談も受けていた。どちらかの恋が成就すれば、必ずどちらかの恋はかなわない。しかし、あくまでも「天使」は思いを伝える、後悔をしないために、というのがモットー。その基づいて二つの相談を同時に受けることに。
冴華の思い人は年上の幼馴染。大学生である幼馴染は、まもなく下宿に行ってしまうため、その前に思いを伝えたい、という。そんな話に耳を傾ける伊緒だったが、中途半端な状態で冴華は思いを伝え、付き合うことになった、という。だが、なぜかその後の彼女の行動は不可解で……
周囲から好かれ、また、困った人に手を差し伸べる人格者。そして、長らく一人の幼馴染を思っている。だが、そんな彼女の行動をよく観察すると……
皆から好かれてはいるが、しかし、常にどこか一線を引いているかのような距離感で他者と接している。さらに、付き合い始めた彼氏がいる、ということになっても、その相手の姿が見えてこない。それは一体、なぜなのか? そして、そんな彼女の過去にあったのは……。
自分の存在がトラブルメーカーになってしまった、というトラウマ。そんな過去があるからこその現在。彼氏というのもまた……。現状、それで良いとは思っている。そうは思っていても……。そんな彼女にかけた伊緒の一言……
1巻では、伊緒の超能力とかの要素が多く出てきたのだけど、今巻はそういう要素はほぼ皆無で現実的な中で進行。その中での冴華の苦悩、本心が丁寧に描かれたエピソードだったように思う。

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Tag:小説感想電撃文庫丸深まろやか

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