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王様のプロポーズ3 瑠璃の騎士

著者:橘公司



鴇嶋喰良によって引き起こされた被害。その処理が急がれる中、玖珂無色の妹である不夜城瑠璃の元へ母であり、魔術学園・虚の方舟の学園長・不夜城青緒から一通の手紙が届く。そこに綴られていたのは、「貴女の婚姻が決定した」という。突然の手紙に反発し、瑠璃は母の元へ向かうが……数日後、その瑠璃から「結婚をするため、学園を退学する」というメッセージが届いて……
ということで、今回は、主人公である無色の妹・瑠璃をメインにした話。
ここまで2巻は、無色の彩禍に対する異常なまでの好きオーラが好きだったのだけど、今回は抑え目。だって、久遠崎彩禍というサインを触って興奮するとかいう人類には早すぎる性癖は出てこなかったしなぁ……
ということで、冒頭に書いた通り、いきなり「婚姻が決まった」と言う母からの手紙を受け取った瑠璃。母に抗議するために帰省したはずが、数日後には真逆のメッセージと共に退学を宣言。瑠璃に何があったのか、ということを調べるため、無色は彩禍の姿で女子校である虚の方舟へ行くことになって……
先に無色の異常性が抑え目だった、と書いたのだけど、代わりにあったのは瑠璃のヘッポコさ。彩禍が、特別講師として方舟に潜入するも、学園側の執拗なブロックにより接触が出来ない。なので、彩禍は策略を用いて接触を試みる。すると、やはり様子が……。これは洗脳でもされたか、と思ったら、ただ、彩禍が好きすぎて挙動不審になっていただけ。さらに、瑠璃は心に決めた人がいる、ということで、無色、彩禍との結婚を……と母への説得を試みるも……すべて、瑠璃のヘッポコさが原因で失敗。2巻までの描写で、何となくそうなることはわかっていたけど、改めてクローズアップされると、すごいなコレ。
そうやって説得を試みるも失敗続き。そして、婚姻の儀式が行われることになって……
この辺りからは当然にシリアス。婚姻というものの意味。そこで青緒が抱えているものと、その中での葛藤。この辺り、確かに「自分がいないと……」という自負と、それが起こす問題みたいなものは、現実でもあり得る話。それをファンタジー作品という設定の中で上手く描いたな、と感じる。
その上で、今回は主人公・無色についても色々と示唆される部分もあり、で……今後、この辺りは色々と伏線になっていきそうな予感。

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Tag:小説感想富士見ファンタジア文庫橘公司

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