fc2ブログ

あした、裸足でこい。

著者:岬鷺宮



卒業式。冴えない高校生である坂本巡は、そんな冴えない日々を振り返っていた。そんな彼が見たのは、人気ミュージシャンのNITOが遺書のような手紙を残して失踪した、という一報。NITOこと、二斗千華は高校入学の時に出会い、そして、恋人となった相手。だが、今は別の世界の住人となってしまった。そんな彼女のことを思い出す中、なぜか巡は彼女と出会ったときにタイムスリップして……
ということで、失踪してしまったかつての恋人・千華を救おうと過去に戻って……という物語。かつて、二人で時を過ごした天文同好会の部室にあるピアノを弾くと……というもの。そして、過去の行動を変えることで現状も変わる……ということが判明していく。
……のだけど、第1巻段階では、千華というのはどういう人物だったのか? そして、主人公である巡自身が変わる、という部分に重きが置かれている印象。
入学式の日に千華と出会い、恋人になった。その部分は同じ。しかし、部活などには入らず、ただ、千華が別世界の住人になり、関係が自然消滅していくのを待つだけだった。しかし、それを変えたい。そんな思いから、自分がかつて目指していた夢。天文学の研究者に、ということで天文同好会を存続させる、という決断をする。そんな中で、それほど接点がなかった千華の親友・萌寧、文武両道の先輩・六曜との接点もできていって……
そんな主人公・巡が自らの後悔から自分を変えていくストーリー。そして、その中で描かれる千華のどこに惹かれたのか? 新入生代表になるように成績優秀で、しかし、部室とかでは物凄くダラけた表情も見せる。しかも、自宅は汚部屋状態……。でも、そんな教室や、ミュージシャンとしての活動として見せる気取った部分ではなく、自分の前で見せる「普通の女の子」の顔こそが、巡にとっての千華の魅力。そういう部分がメインだったように思う。
ただ、それだけに、変わっていった部分はわかるが、どう着地させるのかが今のところはまだ見えない状態。そして、その物語の結末部分での告白。
他の人の記憶などが改竄され、現代ではそれが当たり前という風になっているのに、一緒に部室に行った後輩・真琴だけは「今、記憶が改竄された」と自覚できる、なんていう謎も残っている。その辺りが2巻でどう説明され、どういう風に展開していくのか楽しみ。

No.6459

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



Tag:小説感想電撃文庫岬鷺宮

COMMENT 0