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断頭台の花嫁 世界を滅ぼすふつつかな竜姫ですが。

著者:紫大悟



変人と呼ばれる少年・太宰龍之介。帰宅途中、彼の前に降り立ったのは、何者かに追われる竜の少女・伊良子燐音。思わず彼女をかばい、大怪我をしてしまった龍之介に対し、燐音は、自らの暴走を鎮め、龍之介を救うためにも「ケッコン」を申し込んで……
なんというか……このファンタジア文庫らしい作品っていう印象。いや、それは流石に語弊があるか……
物語は、冒頭に書いたように、普通(?)の少年である龍之介の前に傷つき、何者かの襲われる少女が。思わず、助けに入ったことで、その少女と一種の契約を結び、時にイチャイチャし、時にバトルをして……という流れ。ある意味で、ちょっと前の王道というか、そんな感じのストーリー。
そんな感じで、大きく奇をてらった部分はないのだけど、その分、キャラクターがしっかりと描かれているかな、と思う。学校の生徒会室で、半裸になって自分の筋肉チェックを始めたり……とヘンテコなことは沢山するけれども、基本、お人よしで困っている人を見かけると考えるより先に行動に出てしまう主人公の龍之介。表紙イラストのように、キリリとした感じはありつつ、いざ、ケッコンをするとデレデレになったり、というヒロイン・燐音。龍之介を慕う後輩だけど、敵対する組織の人間で、でも……という存在になっていく真理。見た目は幼い容姿だけど、実は滅茶苦茶な権力者で、でも、場を引っ掻き回しながらも慈愛を持っている生徒会長の蘭子。こういった面々が本作の最大の魅力じゃないかと感じた。
敵対する存在だけど、人間社会のことを知らないがゆえに暴走しがちな燐音に呆れながらも、なんだかんだで面倒を見る真理のシーンとかが個人的には好き。基本、良い娘なんだよな。
そして、終盤の龍之介のセリフとかも良かったし。
あんまり突っ込んで書いちゃうとネタバレになるので、キャラクターの魅力とかを中心に書いてみた次第の今日の感想。

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Tag:小説感想富士見ファンタジア文庫紫大悟

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