著者:二月公


『ティアラ☆スターズ』ライブの第一弾、「ミラク VS アルタイル」も無事終了。だが、最も注目を集めたのは、サプライズゲストの桜並木乙女だった。その乙女のいる「アルフェッカ」とのライブに挑むこととなった夕陽とやすみ。乙女に負けられない、という二人はチームの強化に挑むのだが……
前巻が、これまでのやすみ視点ではなく、めくる視点の半ば、番外編的エピソードだっただけに久々に読んだような感覚を覚える。
ともかく、圧倒的な存在感を持つ桜並木乙女。そんな彼女が率いるアルフェッカとの対決に挑むこととなったミラク、アルタイル。勿論、「対決」とはいえ、あくまでもゲーム内設定ではある。それでも、負けたくない、と思う二人。そんな中、普段はリーダーをしたがらない夕陽がリーダーを買って出て……。さらに、互いの絆を強めようと、1週間、同じ家で生活を共にしよう、ということに。だが、そんな中で、一番のネックは、アイドル活動に否定的な羽衣纏の存在。
アイドル活動などやりたくない。自分がやりたいのは、演技。そんな纏。それはかつての夕陽にも通じるものがある。だが、彼女が抱えているものは、夕陽以上に重くて……
高校生のときから声優として活動をしている夕陽、やすみ。一方、纏は、家庭の事情もあって一度は社会人を経験し、その上で養成所を経て声優になった。そのため、すでに二十代半ばという年齢になっている。そうでなくても、次々と新人が出てくる声優の世界。年齢的にも、アイドル活動をできる時間には限りがある。確かに『ティアラ☆スターズ』は大きな仕事。しかし、言い換えればそれは、限られた時間の多くをそこにとられる、ということ。『ティアラ☆スターズ』だって永遠に続くわけではない。コンテンツとして消えた時に、それしかないとどうなるのか?
まぁ、そのアイドル活動などで人気、実績を作ることで、次の仕事を、っていう面はある。あるのだけど、逆のリスクもある。そのジレンマ。しかも、この話が切実なのは、前巻のエピソードがそのまま伏線になっていること。前巻、他の声優仲間の助けになるような声優になりたい、と誓っためくるに降りかかった現実。それがあるだけに、纏の言動を否定することもできない。そこで二人ができることと言えば……。そして、纏の問題を解決したうえで、乙女に勝つためにとった策は……
作中でも言われているように、別に他の声優は「敵」っていうわけではない。けれども、同じ役を取り合うという側面もある。そういうのを、うまく昇華して物語に練り上げた。そう感じられた。
No.6488

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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『ティアラ☆スターズ』ライブの第一弾、「ミラク VS アルタイル」も無事終了。だが、最も注目を集めたのは、サプライズゲストの桜並木乙女だった。その乙女のいる「アルフェッカ」とのライブに挑むこととなった夕陽とやすみ。乙女に負けられない、という二人はチームの強化に挑むのだが……
前巻が、これまでのやすみ視点ではなく、めくる視点の半ば、番外編的エピソードだっただけに久々に読んだような感覚を覚える。
ともかく、圧倒的な存在感を持つ桜並木乙女。そんな彼女が率いるアルフェッカとの対決に挑むこととなったミラク、アルタイル。勿論、「対決」とはいえ、あくまでもゲーム内設定ではある。それでも、負けたくない、と思う二人。そんな中、普段はリーダーをしたがらない夕陽がリーダーを買って出て……。さらに、互いの絆を強めようと、1週間、同じ家で生活を共にしよう、ということに。だが、そんな中で、一番のネックは、アイドル活動に否定的な羽衣纏の存在。
アイドル活動などやりたくない。自分がやりたいのは、演技。そんな纏。それはかつての夕陽にも通じるものがある。だが、彼女が抱えているものは、夕陽以上に重くて……
高校生のときから声優として活動をしている夕陽、やすみ。一方、纏は、家庭の事情もあって一度は社会人を経験し、その上で養成所を経て声優になった。そのため、すでに二十代半ばという年齢になっている。そうでなくても、次々と新人が出てくる声優の世界。年齢的にも、アイドル活動をできる時間には限りがある。確かに『ティアラ☆スターズ』は大きな仕事。しかし、言い換えればそれは、限られた時間の多くをそこにとられる、ということ。『ティアラ☆スターズ』だって永遠に続くわけではない。コンテンツとして消えた時に、それしかないとどうなるのか?
まぁ、そのアイドル活動などで人気、実績を作ることで、次の仕事を、っていう面はある。あるのだけど、逆のリスクもある。そのジレンマ。しかも、この話が切実なのは、前巻のエピソードがそのまま伏線になっていること。前巻、他の声優仲間の助けになるような声優になりたい、と誓っためくるに降りかかった現実。それがあるだけに、纏の言動を否定することもできない。そこで二人ができることと言えば……。そして、纏の問題を解決したうえで、乙女に勝つためにとった策は……
作中でも言われているように、別に他の声優は「敵」っていうわけではない。けれども、同じ役を取り合うという側面もある。そういうのを、うまく昇華して物語に練り上げた。そう感じられた。
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