著者:萩原麻里


民俗学オタクの幼馴染・古陶里が突如、姿を消した。手がかりを求めた真白は、古陶里が自らの生家がある呪殺島・壱六八島の領主の血縁で、そこへ向かったことを知る。古陶里を追い、壱六八島へ渡った真白だが、その矢先、領主・壱六八家の長女・万姫が殺されている場面に遭遇してしまう。壱六八家の屋敷へと案内された真白だが、その家にはある「呪い」がかかっていると言われ……
シリーズ第3作。
ここまでの2作は、クローズドサークル。事件のトリック、というようなところが強かったのだけど、今回は真白、古陶里の掘り下げとかが強調されたような印象。
壱六八家にかけられた「呪い」とされるもの。それは、その家で生まれた子供は基本的に双子として生まれる。その子供は、何らかの病を抱えている。そして、もし、双子で生まれず、病を持たない者が生まれたとき、その子供は一族の者を殺めるという事件を起こす存在となる……とされている。そして、古陶里は、壱六八家の先代当主が浮気の末に産ませた子供で、病を持たず、一人で生まれた存在だった……
そんな伝承もあり、万姫の殺害は古陶里の仕業であると信じて疑わない壱六八家の人々。古陶里がそんなことをするはずがない、と思う真白だったが、その古陶里は島でも失踪。ますます疑いが濃くなってしまう。そんな中で、何かを企んでる壱六八家の子供たち。だが、そんな壱六八家の中でも事件が起こり、なぜか古陶里は神出鬼没に屋敷内に現れ、真白に対して、「ここを去るべき」と告げる。さらに真白は、その島での中で、色々な違和感を感じて……
島で起きる殺人。その犯人は誰なのか? というのが物語を引っ張る要素なのは間違いない。間違いないのだけど、物語の本題はそこではなかったり。言い方は悪いのだけど、この部分はあくまでも本題へとつなげるための素材とでもいうか……。呪いの伝承の中で濃くなっていく古陶里に対する疑い。しかし、その当の古陶里は、なぜか自分のことをさておいての行動に出る。そんな状況の中で浮かび上がってくるものは……
自分自身がそうだったので、多分、読んでいる中で、物語の構図は予想できるんじゃないかと思う。そういう意味でのサプライズは薄かったと思う。ただ、その辺りも含めて、このシリーズの真相へ至る物語と言えるのだと思う。
ただ、この事件、これで終わってよいのか? という部分はあったり……。あと、ここまでくると、シリーズ完結になるのかな? という気もするのだけど……続編はあるの?
No.6563

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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民俗学オタクの幼馴染・古陶里が突如、姿を消した。手がかりを求めた真白は、古陶里が自らの生家がある呪殺島・壱六八島の領主の血縁で、そこへ向かったことを知る。古陶里を追い、壱六八島へ渡った真白だが、その矢先、領主・壱六八家の長女・万姫が殺されている場面に遭遇してしまう。壱六八家の屋敷へと案内された真白だが、その家にはある「呪い」がかかっていると言われ……
シリーズ第3作。
ここまでの2作は、クローズドサークル。事件のトリック、というようなところが強かったのだけど、今回は真白、古陶里の掘り下げとかが強調されたような印象。
壱六八家にかけられた「呪い」とされるもの。それは、その家で生まれた子供は基本的に双子として生まれる。その子供は、何らかの病を抱えている。そして、もし、双子で生まれず、病を持たない者が生まれたとき、その子供は一族の者を殺めるという事件を起こす存在となる……とされている。そして、古陶里は、壱六八家の先代当主が浮気の末に産ませた子供で、病を持たず、一人で生まれた存在だった……
そんな伝承もあり、万姫の殺害は古陶里の仕業であると信じて疑わない壱六八家の人々。古陶里がそんなことをするはずがない、と思う真白だったが、その古陶里は島でも失踪。ますます疑いが濃くなってしまう。そんな中で、何かを企んでる壱六八家の子供たち。だが、そんな壱六八家の中でも事件が起こり、なぜか古陶里は神出鬼没に屋敷内に現れ、真白に対して、「ここを去るべき」と告げる。さらに真白は、その島での中で、色々な違和感を感じて……
島で起きる殺人。その犯人は誰なのか? というのが物語を引っ張る要素なのは間違いない。間違いないのだけど、物語の本題はそこではなかったり。言い方は悪いのだけど、この部分はあくまでも本題へとつなげるための素材とでもいうか……。呪いの伝承の中で濃くなっていく古陶里に対する疑い。しかし、その当の古陶里は、なぜか自分のことをさておいての行動に出る。そんな状況の中で浮かび上がってくるものは……
自分自身がそうだったので、多分、読んでいる中で、物語の構図は予想できるんじゃないかと思う。そういう意味でのサプライズは薄かったと思う。ただ、その辺りも含めて、このシリーズの真相へ至る物語と言えるのだと思う。
ただ、この事件、これで終わってよいのか? という部分はあったり……。あと、ここまでくると、シリーズ完結になるのかな? という気もするのだけど……続編はあるの?
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