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じょっぱれアオモリの星 おらこんな都会いやだ

著者:佐々木鏡石



「悪いんだけど、今日づけでギルドを辞めてほしいの」「な、なすてですか!? わ、わだっきゃこのギルドばえどふとづだと思て今まで尽ぐしてきたのに!」 レジーナは、公平で信義を重んじるギルドマスターが、中堅魔導士のオーリンにクビを言い渡す場面を目撃してしまう。オーリンがクビになった理由、それは訛りがキツすぎて誰もその言葉を理解できない、というもの。しかし、「翻訳」という意味不明なスキルを持つレジーナはオーリンの言葉を理解することができた。オーリンを心配したレジーナは彼を追って……
ある意味、津軽弁を徹底的にネタにした作品、ということになるのかな?
粗筋に書いた通り、訛りがひどすぎて、誰も何を言っているのか理解できない、という理由でギルドをクビとなったオーリン。そんなオーリンの言葉をスキルによって理解できるレジーナは、彼を追い、そして、二人で冒険の旅に出ることに。そして、旅に出てわかったのはオーリンが規格外の力を持った実力者である、ということ。普通の人であれば、長い詠唱時間が必要な魔術でも、わずか一言で詠唱してしまう。しかも、その威力もまた規格外。だが、オーリンによれば、アオモリの人々はそれを普通に使っているのだという。
これ、ギャグの一環として描かれているから笑いどころになるのだけど、よくよく考えるとクビとなった理由って正当だよな……と思ったり。実際問題、これだけ規格外の威力を持った魔法がいきなり放たれたら周囲が困るよな……と。
そんな形で始まった冒険。暴走したフェンリルは、実はオーリンの昔馴染み。しかも、何者かに洗脳された形跡があった。しかも、それはズンダー国を示す痕跡が……。そこでズンダー国を目指すものの、今度はそこでドラゴンが暴れていて……となるのだけど……
東北地方へ向かっての旅。その最中で、ご当地ネタとかを含めてのギャグとかもなかなか楽しい。ズンダー国を襲っているドラゴンが「マサムネ」って……
ただ、他の方の感想とかを見ていると、魔法の名前とかにも方言ネタとかが含まれているらしい。でも、その辺りについて全く津軽弁に詳しくない自分は全く分からなかった。詳しければ、もっと楽しめたのかな? という風に思う。
そういう意味では、完全にこの作品について理解しきれていなかったのかも知れない。

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Tag:小説感想角川スニーカー文庫佐々木鏡石

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