著者:藤崎翔


売れない作家・大菅賢は、打ち合わせ中、担当編集者と口論になり、突き飛ばしてしまう。大したことはないだろうと思ったものの、編集者は意識不明。賢は思わず逃亡を図ってしまい……
どこへ転がっていくのか? 読みながら思ったのは、そんなことだった作品。
物語は、粗筋で書いた通り、売れない作家である賢が、口論の末に担当編集者を突き飛ばしてしまう、というところから。その様子を見て、思わず逃げてしまう賢。しかし、IC乗車券を使うと足取りがバレてしまうし、金を下ろすというのも同様。そして、財布の中にある金はわずか数百円……。そんな状況から、故郷・東金近くまでやってくるものの……。序盤の話というのは、文字通りのサバイバルものという様相。わずか数百円しか金がない中、山中に潜み、畑などから野菜などを盗み……。ただし、野菜とかの知識がないため、柿を盗んでも渋柿だったり、大根を盗んでも水を使えないので土ごとたべて後悔したり……。移動手段として、他人の軽トラックの荷台に紛れ込むが、あまりの寒さと揺れで後悔をしたり……
そんな序盤の物語の末、自殺を考えた賢は、同じく自殺を図ろうとしていた女性・直美と出会う。そして、表で顔を出せない賢は、自分の作品を直美名義で発表する、ということを提案することに。ここから物語は、二人の共犯関係に。直美を作家として、と言っても、新人賞で落選しまくる日々。そんな中での疑惑と、それを題材にしてのデビュー。順調にいく中でのすれ違い。やがて、子供ができるが……。はっきり言えば、行き当たりばったりのやり方ではあるが、何となく、全てをごまかして進んでいく物語。その中では、当然、賢と直美の間のすれ違いなどもあり……
冒頭の展開があり、全てをだましている、というところからの物語。そして、終盤に一つ、ひっくり返しもある。なので、そういう意味で、本作のジャンルがミステリであることは間違いない。間違いないのだけど、読んでいる最中はむしろ、世間にバレてはいけない。バレそうになったのをどうごまかすか、という部分を含んだ日常生活をメインにした物語のようあ印象が強かった。子供が参観日に発した一言で窮地に陥ったり、とか、そういうのは本当にありそうだもの。
色々とご都合主義だ、と言えば、そういわざるを得ない部分はあると思う。ただ、作風が作風だけに、これはこれでアリなのかな? と感じる。
No.6599

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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どこへ転がっていくのか? 読みながら思ったのは、そんなことだった作品。
物語は、粗筋で書いた通り、売れない作家である賢が、口論の末に担当編集者を突き飛ばしてしまう、というところから。その様子を見て、思わず逃げてしまう賢。しかし、IC乗車券を使うと足取りがバレてしまうし、金を下ろすというのも同様。そして、財布の中にある金はわずか数百円……。そんな状況から、故郷・東金近くまでやってくるものの……。序盤の話というのは、文字通りのサバイバルものという様相。わずか数百円しか金がない中、山中に潜み、畑などから野菜などを盗み……。ただし、野菜とかの知識がないため、柿を盗んでも渋柿だったり、大根を盗んでも水を使えないので土ごとたべて後悔したり……。移動手段として、他人の軽トラックの荷台に紛れ込むが、あまりの寒さと揺れで後悔をしたり……
そんな序盤の物語の末、自殺を考えた賢は、同じく自殺を図ろうとしていた女性・直美と出会う。そして、表で顔を出せない賢は、自分の作品を直美名義で発表する、ということを提案することに。ここから物語は、二人の共犯関係に。直美を作家として、と言っても、新人賞で落選しまくる日々。そんな中での疑惑と、それを題材にしてのデビュー。順調にいく中でのすれ違い。やがて、子供ができるが……。はっきり言えば、行き当たりばったりのやり方ではあるが、何となく、全てをごまかして進んでいく物語。その中では、当然、賢と直美の間のすれ違いなどもあり……
冒頭の展開があり、全てをだましている、というところからの物語。そして、終盤に一つ、ひっくり返しもある。なので、そういう意味で、本作のジャンルがミステリであることは間違いない。間違いないのだけど、読んでいる最中はむしろ、世間にバレてはいけない。バレそうになったのをどうごまかすか、という部分を含んだ日常生活をメインにした物語のようあ印象が強かった。子供が参観日に発した一言で窮地に陥ったり、とか、そういうのは本当にありそうだもの。
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