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陽キャになった俺の青春至上主義

著者:持崎湯葉



元陰キャの上田橋汰は、努力と根性で見事に高校デビューを果たす。友人たちに囲まれ、明るい日々。あとは、ギャルである青前夏絵良と付き合えれば……。そんなある日、クラスの陰キャ女子・七草遊々の頭に鮭とばがくっついているのを発見する。それを取ってやったことで懐かれる俺だが、自分はギャルが好きと伝え振ることに。それで終わり……と思ったら……?
第14回GA文庫大賞・金賞受賞作。
著者は、結構、作品を出している、というイメージだったのだけど、この作品で新人賞取ったのか……とちょっと意外な感じ。
で、まぁ、一言でいえば「楽しい」。
冒頭に書いたような形で物語が始まり、陽キャのグループに入った橋汰。だからって、陰キャをハブったりすることなく、という信条で接することに。そんな中で懐かれた地味な見た目の遊々を振った直後、彼女はコンタクトにピンク髪とイメチェンして登校する。ピンク髪って、漫画とかアニメとかならともかく、現実で見ると結構無茶のある髪色だよな。さらに、そんな遊々の友人・水乃。クラスで孤立している男子・龍虎などに声をかけることになっていく……
いや、基本的におバカだけどムードメーカーな徒然。誰にでも分け隔てのないギャル・夏絵良と言ったあたりが本当にいい面子で、そこに加わることとなった面々との会話が楽しい。遊々は途中から完全にヤンデレキャラになっていくし、水乃のちょっと中二病的なツンデレキャラは可愛いし、龍虎は……なぜ、男の娘キャラになるのか、と……。それにちょっかいをかけている面々も変な性癖に目覚めているし……。いろいろとツッコミどころのあるやりとりが、なぜか自然に展開されているのが面白い。
その上で、この作品の面白いところは、中学時代は陰キャだった、という主人公・橋汰が自分のことを結構さらけ出すことじゃないかと思う。一応、過去のことを隠している、ということにはなっているのだけど、「どうせ自分なんて」という龍虎の説得だとか、そういうところでどんどんカミングアウトしていく。そして、最後には……。最後のシリアスな部分がそれで解決するのか? とは思うのだけど陽とか陰とかどうでもよい、っていうメッセージは素直に響いた。
面白かった。

No.6606

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Tag:小説感想GA文庫持崎湯葉

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