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祝祭のハングマン

著者:中山七里



警視庁捜査一課に所属する瑠衣は、父が勤める中堅ゼネコンの社員の交通事故死が殺人である可能性があることを耳にする。事故死をした社員は、父と同期で同じ課長職という立場にいた。何かを隠している様子の父だが、そんな中、今度は別の課長が駅の階段から転落死してしまい、さらには父まで……。一体、何が起きているのか? そんな中、瑠衣の元へ東京地検の検事が訪れて……
うーん……
物語は冒頭に書いたように、父を含め、父の勤める建設会社の課長が3人、立て続けに怪しげな形で死亡する、というところから始まる。ただ、会社、役職は同じであるが、部署などは異なり、直接の関係はないはず。父の生前、先に死亡した二人とのかかわりを訪ねるが、父は語らないまま……。父は何を隠していたのか? さらに、二人目の葬儀の場に現れた、元敏腕刑事だったという探偵・鳥海が怪しげな動きを見せていて……
死亡した三人の課長の間のつながりは何なのか? 探偵である鳥海の怪しげな動きの裏にあるものは何なのか? そんなところが物語の謎になる……はずなのだけど……
正直なところ、主人公である瑠衣に全く共感できない。いや、父が不可解な死を遂げたけれども、身内だからと捜査を外されることに納得がいかない。だから……っていうのはわからないでもない。けれども、瑠衣の行動って、完全に暴走そのもの。しかも、その会社に疑惑があったと知った瑠衣がいきなり会長のところに殴り込みみたいに行くとか、あまりにも無茶苦茶。そりゃ、外されるだろう、という感じ。
さらに、物語を引っ張る謎自体も、瑠衣が調査の末に……というわけではなく、謎解きがすべて外部からの情報で判明する、というのもなんだかなぁ、という感じ。自分で真相にたどり着けないから、余計に瑠衣の行動が「暴走」という印象になってしまう。そして、その物語の結末は……タイトルから丸わかり。しかも、そこへ至る過程も、すごく雑。確かに、父を喪った、というようなところから怒りはあると思うけど、葛藤とか、そういうのは感じないのかな? それに、帯などに「法では裁けないなら」とあるけど、本当にこれって、「法で裁けない」事例か? と思うところもある。
とにかく、全体を通して「雑」という印象ばかりが残った。

No.6614

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Tag:小説感想中山七里

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