著者:橘公司


「スーに会いたかったんだよね……? ――おとうさん――」 買い出し中のアンヴィエットと無色は、その途中、はぐれ魔術師に追われている少女を救助する。だが、その救助した少女・スーリヤは、アンヴィエットのことを父と呼び始める。アンヴィエットに隠し子が! そんな噂が庭園を駆け巡る中、無色と彩禍がなぜか分離してしまう。しかも、彩禍の意識を宿した黒衣もまたいる状態で……
今回は「庭園」の教師であり、騎士でもあるアンヴィエットの掘り下げ巻という印象。ただ、ここまでアンヴィエットの存在感がなかった、ということもあってか、ちょっと番外編的な印象があるかな?
はぐれ魔術師から助けた少女から、「おとうさん」と呼ばれることとなったアンヴィエット。物言いはぶっきらぼうだけど、そんなにだらしない印象はなかったアンヴィエットだが、娘を名乗る少女が現れたことで、その評価は凋落。本人は「違う」というが、常にアンヴィエットにくっつき、何だかんだと言いながらも、スーリエの世話を焼く。だからこそ……。なんか、アンヴィエットが凄くいい奴だ、というのがわかりつつ、だからこそ誤解が広まっていく様は素直に同情するところではある。
そんな中で、一体化していたはずの無色と彩禍が分離。ただし、なぜか黒衣はそのまま居座ったまま……。黒衣こそが、彩禍の意識のはずなのになぜ? スーリヤを追っていたはぐれ魔術師たちは、彼女のことを「幸運の子」と呼んでいた。そして、その他にも庭園の制服がメイド服になったりと、奇妙なことが起こるように……。そんな中、アンヴィエットは、スーリヤの母の名前を知るのだが……
突如、不可解な行動を始めたアンヴィエット。さらに、最強のはずなのに、なぜかはぐれ魔術師の組織にとらわれてしまった彩禍。そんな中で、アンヴィエット自身の過去や、スーリヤがどういう存在なのか、というようなものが掘り下げられていく。
最初に書いたように、ちょっと番外編的な印象はあるのだけど、だからこそ、アンヴィエットの過去。その中で抱えた後悔と、それをこの物語で解消させる、という「一つの物語」としての完成度は高いな、と感じる。スーリヤがどういう存在なのか、とか、そういう諸々の要素がすべて上手く一つの物語としてまとめ上げられているし、ちょっと切ない終わり方でもあるし。脇を固める、という意味でも十分な意味のある話だったのだと思う。
その上で……
相変わらず、瑠璃のへっぽこさ、っていうのも光ったなぁ、と……(そこかい)
No.6617

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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「スーに会いたかったんだよね……? ――おとうさん――」 買い出し中のアンヴィエットと無色は、その途中、はぐれ魔術師に追われている少女を救助する。だが、その救助した少女・スーリヤは、アンヴィエットのことを父と呼び始める。アンヴィエットに隠し子が! そんな噂が庭園を駆け巡る中、無色と彩禍がなぜか分離してしまう。しかも、彩禍の意識を宿した黒衣もまたいる状態で……
今回は「庭園」の教師であり、騎士でもあるアンヴィエットの掘り下げ巻という印象。ただ、ここまでアンヴィエットの存在感がなかった、ということもあってか、ちょっと番外編的な印象があるかな?
はぐれ魔術師から助けた少女から、「おとうさん」と呼ばれることとなったアンヴィエット。物言いはぶっきらぼうだけど、そんなにだらしない印象はなかったアンヴィエットだが、娘を名乗る少女が現れたことで、その評価は凋落。本人は「違う」というが、常にアンヴィエットにくっつき、何だかんだと言いながらも、スーリエの世話を焼く。だからこそ……。なんか、アンヴィエットが凄くいい奴だ、というのがわかりつつ、だからこそ誤解が広まっていく様は素直に同情するところではある。
そんな中で、一体化していたはずの無色と彩禍が分離。ただし、なぜか黒衣はそのまま居座ったまま……。黒衣こそが、彩禍の意識のはずなのになぜ? スーリヤを追っていたはぐれ魔術師たちは、彼女のことを「幸運の子」と呼んでいた。そして、その他にも庭園の制服がメイド服になったりと、奇妙なことが起こるように……。そんな中、アンヴィエットは、スーリヤの母の名前を知るのだが……
突如、不可解な行動を始めたアンヴィエット。さらに、最強のはずなのに、なぜかはぐれ魔術師の組織にとらわれてしまった彩禍。そんな中で、アンヴィエット自身の過去や、スーリヤがどういう存在なのか、というようなものが掘り下げられていく。
最初に書いたように、ちょっと番外編的な印象はあるのだけど、だからこそ、アンヴィエットの過去。その中で抱えた後悔と、それをこの物語で解消させる、という「一つの物語」としての完成度は高いな、と感じる。スーリヤがどういう存在なのか、とか、そういう諸々の要素がすべて上手く一つの物語としてまとめ上げられているし、ちょっと切ない終わり方でもあるし。脇を固める、という意味でも十分な意味のある話だったのだと思う。
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