fc2ブログ

EVIL 東京駅おもてうら交番 堀北恵平

著者:内藤了



警察学校を卒業し、正式に東京駅おもて交番へと配属された堀北恵平。先輩である平野、桃田らと共に時間を超える「うら交番」の調査を進める彼女は、柏村の孫から、彼が残した資料を託される。そんな中、恵平が配属された交番前で通り魔事件が発生。何とか犯人を取り押さえることに成功するが、その現場から人間の心臓が入った箱が発見され……
シリーズ第6作。
今回は、大分、うら交番、そして、そこに勤める柏村の謎に迫ってきた、という印象。冒頭から、柏村の後輩である刑事・永田が何かに取り憑かれたように殺人を犯し、さらにその遺体処理を視られてしまった少年をも……という長めのプロローグが描かれる。そして、恵平が柏村の孫から預かった手がかり。そこに残されたメモや、そして、謎の髪の毛などが……。それが意味しているものは何なのか? そんな謎が現れ、そこから、柏村は恵平との出会いにより、何かをしようとしていたのではないか? というところへと話が進んでいく。ここまで、現代の時間軸で起きた事件を捜査する中で、過去の柏村に会い、解決へのヒントを聞いて解決へ……という流れだったのだけど、ここに来てSF的な展開へと移ってきた。
その一方で、恵平の前で起こる事件。通り魔事件の現場に置かれていた人間の心臓。当初は通り魔事件の犯人が、とも思われたが、それにしては様子がおかしい。通り魔の犯人が、何かに取り憑かれたように、人々への悪意をぶつけた存在であることは事実。しかし、その犯人が心臓を置いた、とするには無理がある。その現場がどういう状況だったのか、を考えたときに……
今回の、現在での事件に関しては、恵平らが捜査をして犯人を探り当てた、という感じではない。過去のうら交番へと行き、今回は柏村ではなく、若き日の恵平の祖父との対話からヒントは貰うものの、「勝手に解決した」感はある。ただ、その事件の真相はなかなかに闇が深い。読者もそうだし、恵平たちの目から見ても、明らかに異常な行為をしている犯人。でも、本人は至って真面目。真面目に、しかし、はたから見れば異常なことをしている。作中でも出てくるのだけど、妄信というものの怖さ、底知れなさ。そういうものを感じるものになっている。こんな明らかな、誰が見たって犯罪、とまではいかずとも、他人の迷惑を顧みずに……っていう輩は世の中に結構いる。そういう人の背景とかに、こういう心理ってあるんだろうな。
うら交番の話と、今回の事件。そこがちょっと乖離したように感じた部分はあるのだけど、この心理とか、そういうのも、シリーズをまとめるうえでの鍵になってくるのだろうか?

No.6624

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



Tag:小説感想内藤了角川ホラー文庫

COMMENT 0