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キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘

著者:西尾維新



私立澄百合学園に通う玖渚盾(くなぎさじゅん)、15歳。「パパの戯言」と「ママの法則」を携えた「平凡な女子高生」。そんな彼女は、最強の請負人に車で轢かれ、そのまま誘拐されてしまう。辿り着いたのは玖渚機関の本拠地・玖渚城。そこで盾は、青髪青眼の従姉妹と凄惨な殺人事件に邂逅することとなり……
17年ぶりの「戯言シリーズ」ですか……
私が旧ブログを始めたころに人気になっていて、そして完結したシリーズ。その後も、零崎シリーズや、人類最強シリーズなど関連作品は出ていたけど、講談社ノベルスでの刊行やら何やらを含めて、シリーズのお約束を踏襲してきたな、という印象。ただし、あくまでも主人公は盾であり、いーちゃんや友は直接は登場しない。
まず読んでいて思うのは、いーちゃんと友の夫がその後、どういう生活を送ったのか? そして、どういう教育をしているのか? なんていうこと。盾は、父親のことを「口だけの人」みたいに言いながらも、また、現在は天才性を喪った存在と言われる友。でも、要所要所で、そん両親の教えが引用され、その教えを守ろうとする姿が描かれる。何だかんだで信頼されている(?)やん! という感じ。
そして、そんな友の実家である玖渚機関。本編中、世界を動かす巨大な組織である、というようなことは記されていたのだけど、具体的にどういう存在なのか? というのはイマイチわからなかった。そんな中で、その機関が描かれるのだけど……文字通りに支配階級なんだな、というのがまず第一。ただ、その一方で感じるのは「斜陽」という部分。盾が誘拐された理由。それは、母である友が作った人象衛星の修理。人間の動きなどを完全に解析できる、というそのヤバい装置。だが、経年劣化には耐えられず、その機能を止めようとしている。友の再現を狙って作られたクローンである盾の従姉妹・遠と近。見た目は、文字通りに母の生き写し。だが、それでも……。そういうところを見ると、どうしても、という思いを抱いてしまう。そして、そんな中での首切り殺人……
犯人が誰か? とか、なぜ、そんな殺し方を? 動機は? とか、謎は色々とあるのだけど、すべてが合理的に解明された、というよりも一点突破の形で、という印象。ただ、その部分については、惨劇の舞台がどういう場所なのか? というところが上手く処理されており、なるほどな、という感じ。この物体の特徴は、確かに、そこにあるわけだからなぁ……
で、どうなんだろう、この作品は? 一応、殺人があって謎解きがあって……という意味ではミステリの形はとっている。けれども、盾の目を通しての物語のその後、とか、そこで触れられなかった部分の深堀。そういうところを楽しんだような気はする。そういう意味では、ファンサービス的な意味合いが強いのかな? と思える。

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Tag:小説感想西尾維新

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