著者:大山誠一郎
昭和22年、琵琶湖畔の小さな町に降り立った探偵業を営む圭介、奈緒子の兄妹。二人の依頼主は、この地で紡績業を営む占部文彦。彼には、折り合いの悪い双子の弟がおり、その弟に命を狙われているという。そして、実際に、その文彦が殺害され…
非常にスッキリとした本格ミステリ。予告にあったように、文彦を狙うのは、その双子の弟の武彦。双子であるが、整形手術を受けて顔を別のものにしているという。用心していたはずなのに、殺されてしまった文彦。ということは、近くにおり、かつ、信頼されている存在であるはず。武彦はどこにいるのか? そして、彼が本当に犯人なのか? それらを調べながら進むうちに、次なる事件が…。
双子と言う題材があれば、当然のように出てくるもの、そして、その前提を覆すトリック。やり方によってはアンフェアになってしまうのだが、しっかりとそこにいたる部分で伏線が張られており、全くそういうものを感じずに納得できた。論理的な解決といい、本格ミステリとして十分に楽しめる作品になっていると思う。
ただ、トリックについて一つだけいうのならば、相当に「被害者の協力」が必要になるものなので、もう少し踏み込みが欲しかった。あれだけ用心していた被害者が、わかっていてやられる行動を取るのか、がちょっと弱い。そこがしっかりあれば、より納得できたと思うだけに。
ただ、それでもトリックの面白さなど、十分に楽しめた。
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テーマ : ブックレビュー - ジャンル : 小説・文学
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