著者:新名智


「人生なんて、しょせんはゲームだ」 中学時代の友人の死を引きずったまま、そんな心情で暮らす志崎晴。そんな彼は、「遊ぶと死ぬ」というゲームを探しているという同級生・莉久と呪いについて研究をしている大学院生・葉月と共に、不可解な死を遂げた男の遺品のゲームをすることに。大量に残されたゲームを一つ一つ検証する中、晴の日常に「黒い影」が現れるようになって……
最後はちょっとモヤモヤとした感じになったかな、というのが読了してまず思ったこと。
冒頭に書いたように、クラスメイトの莉久、大学院生の葉月と共に「呪いのゲーム」を探すことになった晴。不審死した男の持っていてたテレビゲームをしていたところ、日常に黒い影が現れるようになった。自分は呪われてしまった? しかし、一緒に検証をしていた莉久と葉月に呪われた様子はない。なぜ、自分だけ呪われてしまったのか? その原因となったゲームは何なのか? そんなことを探ることに。その中で、不審死をした青年・シュウの行動、さらに、その周辺でも人々が死んでいる、ということが判明していく。そんな中で、晴が癖としてやっていることは……
ゲームとは何か? 場合によってはテレビゲームなどを指し、場合によってはボードゲームなどを指す。さらに言えば、スポーツとかだってゲームになるし、ルールを定めて行っている日常の行動だってゲームと言える。さらに、もっと広めれば……。「ゲームとは何か?」という問いかけ、その考察がまず面白かった。
そして、そんな晴の心に残っている中学時代の友人・雪広との日々。小学校時代、酷いいじめにあい、自殺すら考えた彼にできた友人。ゲームが大好きだ、という雪広は、何でも「ゲーム」として物事を捕らえる人間だった。そんな雪広との出会いで、かつての苦しみから解き放たれた晴だったが……。学校生活と言う狭い空間の生きづらさ。かつてのトラウマもあり、そんな雪広を裏切ってしまった罪悪感により、雁字搦めになっている現状。この辺りの息苦しさ、というのも印象的な部分である。
ただ、そういうところは良かったのだけど、終盤、一度は呪いの発動を防いだと思ったが……という部分からよくわからなくなってしまった。雪広との最後の会話の中にあった本心とか、そういう部分でなるほど! と思う部分もあったのだけど、それで結局どうなった? という感じもちょっと残っただけに……。その辺りがどうにもモヤモヤとするなぁ、というのが何よりもの感想だったりする。
No.6756

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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「人生なんて、しょせんはゲームだ」 中学時代の友人の死を引きずったまま、そんな心情で暮らす志崎晴。そんな彼は、「遊ぶと死ぬ」というゲームを探しているという同級生・莉久と呪いについて研究をしている大学院生・葉月と共に、不可解な死を遂げた男の遺品のゲームをすることに。大量に残されたゲームを一つ一つ検証する中、晴の日常に「黒い影」が現れるようになって……
最後はちょっとモヤモヤとした感じになったかな、というのが読了してまず思ったこと。
冒頭に書いたように、クラスメイトの莉久、大学院生の葉月と共に「呪いのゲーム」を探すことになった晴。不審死した男の持っていてたテレビゲームをしていたところ、日常に黒い影が現れるようになった。自分は呪われてしまった? しかし、一緒に検証をしていた莉久と葉月に呪われた様子はない。なぜ、自分だけ呪われてしまったのか? その原因となったゲームは何なのか? そんなことを探ることに。その中で、不審死をした青年・シュウの行動、さらに、その周辺でも人々が死んでいる、ということが判明していく。そんな中で、晴が癖としてやっていることは……
ゲームとは何か? 場合によってはテレビゲームなどを指し、場合によってはボードゲームなどを指す。さらに言えば、スポーツとかだってゲームになるし、ルールを定めて行っている日常の行動だってゲームと言える。さらに、もっと広めれば……。「ゲームとは何か?」という問いかけ、その考察がまず面白かった。
そして、そんな晴の心に残っている中学時代の友人・雪広との日々。小学校時代、酷いいじめにあい、自殺すら考えた彼にできた友人。ゲームが大好きだ、という雪広は、何でも「ゲーム」として物事を捕らえる人間だった。そんな雪広との出会いで、かつての苦しみから解き放たれた晴だったが……。学校生活と言う狭い空間の生きづらさ。かつてのトラウマもあり、そんな雪広を裏切ってしまった罪悪感により、雁字搦めになっている現状。この辺りの息苦しさ、というのも印象的な部分である。
ただ、そういうところは良かったのだけど、終盤、一度は呪いの発動を防いだと思ったが……という部分からよくわからなくなってしまった。雪広との最後の会話の中にあった本心とか、そういう部分でなるほど! と思う部分もあったのだけど、それで結局どうなった? という感じもちょっと残っただけに……。その辺りがどうにもモヤモヤとするなぁ、というのが何よりもの感想だったりする。
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