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はたらく魔王さま! ES!!

著者:和ヶ原聡司



BOOK☆WALKER

3編の短編を収録した短編集。タイトルの「ES」はエントリーシートと、エミリアサーガの意味らしい。
ただ、1編目『魔王、重大な秘密を抱える』は、あんまり魔王は関係がないような……。
週末、いつも通り、バイトに励んでいる真奥。だが、いつものようなはきはきとした仕事っぷりからかけ離れた様子。バイトに来た当初は、そんな様子はなかった。しかし、途中から明らかにおかしな様子に。しかも、来週の月曜、というのが気になっている様子。千穂たちは、真奥に何があったのかについて議論を始めるのだが……。わかってみれば、いかにも、な物語。流石にそこまで警戒するか? っていう感じはある。でも、こういう状態になったら別の意味でソワソワするよな、ということも思うようなオチだった。
2編目『勇者、趣味を探す』。マグロナルドのバイト仲間の大学生が、企業へのインターンのESの趣味欄に何を書けば良いのか? という話を聞いたエミリア。で、ふと思ったのが、自分には趣味がない、ということ。真奥ですら映画鑑賞だというのに……。趣味を探すべく、理香や千穂に相談をするのだったが……
これも話としては、日常の、本当に何でもない話と言う印象。ただ、思うのは、「趣味」って何だ? っていう話ではある。そもそも履歴書とかに書く「趣味」って意味があるのか? なんていうのも思うし。自分の場合、「読書」「競馬」「アニメ鑑賞」なんかが趣味になると思うけど、履歴書には書きづらいな。ギャンブル=悪、みたいな風潮あるし、読書とかは、作中でもある「何もない」みたいな扱い。……自分、何にもない?
で、この巻のメインと言える『勇者、勇者となった日を思い出す』。魔王を倒したエミリアが、文字通り「勇者」となったころ、つまり幼少期の物語。
とにかく、この話に関しては、勇者パーティと言える面々の、過去の姿が印象的。とにかく、魔族を倒す、ということだけを我武者羅に考え、そして、猪突猛進なエミリア。現在だって、結構、そういう部分は残っているけど、この頃は文字通りに「暴れ馬」とでも言うような状態。そんなエミリアの仲間で、彼女の教育係的な立ち位置のオルバ。本編2巻で登場し、その後はひたすら小悪党的な立ち位置の彼だけど、作中、皆に言われているように当時のオルバって、政治的駆け引きとかをしつつも、すごくマトモなんだよな。そのあり方が印象的だった。そして、おっとりキャラという感じのエメラダ。……一言だけ。怖い……
なんか、現在、の在り方を知っているからこそのギャップが強く印象に残った。

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Tag:小説感想電撃文庫和ヶ原聡司

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