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青矢先輩と私の探偵部活動

著者:喜多喜久



BOOK☆WALKER

かつて母が在籍し、父との出会いのきっかけとなった桜永第2中学探偵部。そこに入るために、故郷の北海道を離れ桜永市へ越してきた美玖。だが、その探偵部は既に廃部になっていた。探偵部復活を目指し部員集めを始める美玖だったが、入部希望者の依頼で近隣の名門高校・叡光学園に侵入する。そして、そこで叡光学園でもトップの天才高校生・青矢先輩と出会い……
という連作短編集。全5編を収録。
まず言うと、結構、重大な犯罪を題材にした話が多くて驚いた。もっと日常の謎を題材にしたものかと思っていただけに驚き。
そもそも、美玖と青矢先輩が出会う1編目『探偵部の復活』。探偵部復活を目指してビラ配りをする美玖の前に現れた先輩は、興味があるから叡光学園に侵入し、内部の様子を写真に撮ってきてほしい、と言う。その指示に従って青矢に出会うのだが、侵入を依頼した先輩の思惑には裏があって。このエピソードは、多分、誰が読んでも「胡散臭い」って感じだとは思う。その意味では、本当に出会いのエピソードという感じかな?
第3話『救済の毒草』。クラスの生徒たちから嫌がらせを受けている担任教師が倒れた。原因は、給食の中に紛れ込んでいた毒草。命に別条がなかったものの、教師は休職。配膳の差異の位置関係から、教師に嫌がらせの中心となる生徒が槍玉にあがるが……。SNSでの投稿や、学校と言う空間での嫌な雰囲気。その状況に加え、さらに事件そのものは殺人未遂にもなりかねないもの。かなり重大な犯罪という状況に驚いた。ただ、ある意味、ここまで追い込まれると、というのはあるのかも。
学校という舞台を考えると、カンニングを題材にした4編目『神の目の在り処』。3年生の成績上位10位がすべて入れ替わる、という事件が起きた。上位の生徒の成績は変わらないが、それまで平均点以下の成績しか取れなかった生徒が高得点を取り、ベスト10を独占した。カンニングが疑われるが、証拠はない。試験問題作成用のパソコンなどには細心の注意を払っていたのに、どうやってバレたのか? これはある意味、完全犯罪と言えるところまで行った……はずだったもの。しかし、欲が出たことで……その辺りのさじ加減が上手かった。でも……平均点以下の生徒に、試験問題&解答を覚えさせても、ベスト10の人の成績が変わらないなら、追い落とせるものかな? なんてことはちょっと思ったり。
そんな中で、叡光学園は女子禁制で、女子と話をしているだけで罰を受けるから、と青矢先輩と会うときは常に男装。でも、ちょっとずつ意識して……なんていう辺りの方がこの作品の味なのかも。
ただ、美玖、青矢、両者について深く語られていないような感じがするだけに、続編が出ていないのがちょっともったいない気はする。

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Tag:小説感想喜多喜久

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