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カルネアデス 1.天使警察エルと気弱な天使

著者:綾里けいし

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とある満月の夜、気弱な悪魔・イヴはお腹を満たすために人間の恐怖心を得ようとしていた。そこに現れたのは、天使警察のエリート・エル。捕まっても脱獄を繰り返すイヴを捕らえるべく派遣された彼女は、イヴを追いかけるが、そこに異形の怪物が現れる。協力し、何とか怪物から逃れた二人だったが、異形の怪物による事件への対策として、上司命令により、エルはイヴとコンビを組むことになって……
何か、著者の作品に初めて触れたのが『異世界拷問姫』だっただけに、いかにも著者の作品らしい作品、っていう印象を覚えた。
まず、物語の舞台設定としては、天使、悪魔、獣人、吸血鬼、人間という5つの種族が存在する世界。種族の中に格付けのようなものが存在し、その頂点に立つのが天使で、悪魔、獣人、人間というような見方が一般的。そこから外れているのが吸血鬼で、極めて強い能力を持っているが、しかし、孤高の存在として独立したような状態にいる。そんな中で、天使たちは傲慢な存在であるが、唯一、エルだけはその職務に忠実。しかし、それ故に、天使警察の中では浮いた存在。そして、エルは悪魔ではあるが、そこまでの悪事を働いているわけではなく、何かあればすぐに逃げ出してしまうような気弱な存在。その二人が、嫌々ながらバディを組むことになって……
最初は嫌々、ではあるが、元来の生真面目さもあって職務を果たそうとするエル。そんなエルにほだされていくイヴ。少しずつ情報は手に入るが、しかし、突如、バディ解消をするよう命令されてしまう。それに納得のできないエル。そんな中で……
基本的に、エルとイヴ、二人の関係性がメインではあるのだけど、その中で起こる事件そのものは結構、血みどろだったり何だったりで凄惨なもの。力を借りることになった吸血鬼のノアだってやっていることは、文字通り、無残な惨殺劇をやってのけている。けれども、作品のスピード感とか、そういう部分が優れているため、純粋にエンタメ作品として楽しめるのは見事の一言だろう。実際の現場はともかく、読んでいる最中にグロさとか、そういうのはそれほど感じないし。
いくら悪魔とはいえ、あまりに露出過剰な姿でイヴが動いているのか? なぜ「上司命令」として相棒を組み、解消させられたのか? というような謎。そして、5つの種族がいる世界そのものについての一歩。そういうところが見え隠れしてきて、導入編としては完璧じゃないかと思う。
……ただ……
イヴの格好についてエルが色々と言っているけど、エルの格好も大概だと思うのは私だけだろうか?(表紙参照のこと)

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Tag:小説感想MF文庫J綾里けいし

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