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名探偵じゃなくても

著者:小西マサテル

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クリスマス直前、居酒屋で「サンタクロース消失事件」について語っていた楓たちは、居合わせた男性・我妻に声をかけられた。彼は、かつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子だったと言い……
『名探偵のままでいて』の続編となる連作短編集。全4編+エピローグ収録。
前作同様、不可思議な事件に遭遇した楓。そんな楓が、認知症の祖父に話を持ち掛けると、認知症になる前のように優れた推理を披露して謎を解く、というのパターンは相変わらず。
2編目『死を操る男』。俳優として活動をしていた男が死亡した。その直後、後を追うように自殺をする女性が次々と……。死亡した俳優は人気があったのに、なぜかやっていたのは端役ばかり。なぜ、そんな役ばかりだったのか? さらに、端役ばかりの俳優なのになぜか奇妙な部分もあって……。終わってみると悪意がこれでもかと詰め込まれたかのようなエピソード。ただ、ちょっとした情報からその状況を一つ、また一つと解明していく謎解きが面白かった。
3編目『泣いていた男』。アパートで警察官が殺害された。その警察官は、周囲とは距離を置き、一匹狼のごとく振る舞っていた。そして、遺体はなぜかビールジョッキを手にし、遺体は泣いていた……。ダイイングメッセージものではあるのだけど、よくよく考えると、ここまで考えねばならないと、って時点では失敗のように思う。ただ、逆説的に、とでもいうか……それを処理できたからこそ犯人だ、という流れは面白かった。
4編目『消えた男、現れた男』。前作で逮捕された楓のストーカーが証拠不十分で釈放された。楓に対して再び嫌がらせが始まるのではないか、という中、楓たちと仲良くしていた俳優の四季が姿を消してしまう。失踪する前から態度がおかしくなっていた四季。さらに、その失踪した当日、四季の家にいた楓が目の当たりにしたのは、まるで数分前まで不通にいたところから消えてしまった、というような状況で……
前巻で登場したストーカーの話は謎を作るための前段階という感じで、ちょっと拍子抜けかな。ただ、これがあるからこそ、四季がなぜ失踪したのか? というのに必然性が出るので必要なのはわかるのだけど。そして、その失踪の謎。トリックとしてはシンプルなのだけど、その背後にある相手のために、というのが変な形で積みあがった結果、というのが上手いな、と感じた。
今回は、新キャラである我妻が基本的には謎を提供し、それを……という形の話が多く、謎が何なのか? とかがわかりやすく、素直に謎解きを楽しめた話が多かったな、という風に感じた。

No.6922

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Tag:小説感想小西マサテル

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