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赫き女王

著者:北里紗月

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BOOK☆WALKER

日本最南端の無人島・瑠璃島。そこに作られた研究所で研究員たちが次々と飛び降りをして死亡した。状況は自殺としか思えないがいかんせん動機がない。その現場を目撃してしまった研究員・高井七海は、死亡した所長が秘密裏に研究をしていたことを知る。そこには、異常な行動をとる魚についての記載が……。所員の沖野、桃子と共に、その魚が採取された入江を目指すのだが……
これまでに読んだ著者の作品は、医療ミステリーだったのだけど、今作はバイオホラーとでも言うべき作品。
物語は、所長を始めとした研究員4人が突如、飛び降りて死亡する、というところから。動機を探るために、所長室を訪れた七海が知ったのは、所長室には秘密のラボがあり、そこで研究をしていたこと。そして、その対象となった魚は、レッドと名付けられた渦鞭毛藻に寄生されていたことを知る。そして、レッドに寄生された魚は、寿命が1.8倍ほどに延び、さらに異常な攻撃性、食欲を示していたとあった。その魚を手に入れるため、その入江を目指すが……
毒蛇などはいるものの、そこまで危険な生物はいない島。しかし、入江を目指して動き出した七海たちの前に立ちはだかるのは、本来の性質とは異なった異常行動をとる動物たち。餌となる動物は小動物のはずなのに、人間にも襲い掛かる生物。さらに、本来のそれよりも巨大だったり……。しかも、その襲い掛かってきた生物を見ると、本来のその身体にはありえないような器官がついていたりする。そんな生物の襲撃をかいくぐりながら先へと向かっていく。
ここまでだと、普通のバイオホラーという感じの物語なのだけど、生物学とかを学んでいた著者らしく、その中で、生物の生態だとか、進化などの話だとか、そういう解説がこれでもかと詰め込まれていく。この現象は流石にフィクションだろう、とは思うものの、実際の生物の事例とかが記されているので、どこまでが、っていうのが曖昧になっているというのは間違いなくあった。
物語の流れ自体は王道そのものという感じなのだけど、もうちょっと七海たちが入江へと向かう理由に強い動機付けがあってもよかったかな、と思う部分はある。結構、早い段階で異常行動をとる毒蛇に襲われるとか、そういうのがあるから。そうなったら早い段階で「一時撤退! 救援を待ち、装備を整えて出直し!」みたいな判断がされそうじゃないか、と思えてしまうだけに。それとも、研究者って、それでも突き進むものなの?
でも、様々な蘊蓄を交えての物語は楽しかった。

No.6930

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Tag:小説感想北里紗月

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