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ほうかごがかり

著者:甲田学人

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『ほうかごがかり 二森啓』 小学6年の少年・二森啓は、ある日、教室の黒板に謎の係名と共に自分の名前が記されていることを目撃する。その日の深夜、突如、自室に学校のチャイムが鳴り響き、暗闇に囲まれた異次元の学校『ほうかご』へと誘われる。そこで、学校中に棲む「無名不思議(ななふしぎ)」という異常存在の世話係を命じられるのだった……
久しぶりに読んだ著者の作品。相変わらずの雰囲気。
冒頭に書いたように、『ほうかご』と呼ばれる異世界へと誘われた啓。そこには、同じように「ほうかごがかり」に選ばれた6人の少年少女と、顧問だという太郎という謎の少年が。さらに、その少年たちの中には、かつて仲良くしていたものの、1年前、突如として疎遠になった(元)友人の惺も。疎遠になった理由は、啓を巻き込まないようにするためだったことも判明する。そして、それぞれが、それぞれの怪異の記録をつけることになる中、啓が記録を取る相手は「まっかっかさん」となって……
怪異の卵、とでも言うべき「無名不思議」。その記録を取り、どういう存在なのかを明らかにすることで、それが怪異となることを防ぐのが係の仕事。渋々ながらもその仕事を始める啓だったが、「まっかっかさん」の姿は日常にも現れるようになっていき……。そんな「まっかっかさん」の正体を巡っての考察。その中で明らかになっていく、自身の過去、願いとの関連性……。啓は、そんな自分の過去と真正面から向き合う。一方で、同じく怪異と立ち向かうことになる見上真絢は……
啓にしても、真絢にしても、多かれ少なかれ、普通の人々が抱えている葛藤なんじゃないかと思う。自分が何をしたいのか? 自分は一体、どういう存在なのか? 勿論、大きな問題を抱えていない人は、ここまで深刻なことになることはないと思う。でも、誰でも感じることがある普遍的な想いじゃないかと思う。その辺り共感できる人は沢山いるのではないだろうか。
そんな啓、真絢。二人のエピソードが描かれた上で明らかになる『ほうかご』に関する残酷な事実……。主人公である啓は、とりあえずのところ、自分の危機を回避した。しかし……という物語の引きも含め、今後、さらに嫌な予感にさせる終わり方。顧問である太郎に対しても、どこまで信用して良いのか、とも思うし。ここから、どういう風に展開していくのか怖いような、しかし、楽しみなような……

No.6936

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Tag:小説感想電撃文庫甲田学人

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