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十五光年より遠くない

著者:新馬場新

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BOOK☆WALKER

2025年、人類観測史上最大の太陽フレアが発生。突然の磁気嵐が地球を襲った。その影響によって起きた大規模停電による混乱が発生する。そんな中、元自衛官の星板陸は渋谷で初恋の女性・浅野水星と再会する。パニックの中、陣痛が始まってしまった水星と子供を救うべく、陸は水星の妹・金星とともに奔走することとなって……
作中で、色々とSF映画ネタとかが入っている、というのはわかった。ただ、私は映画はほぼ見ていない人間だし、ついでに言えばSF作品にも詳しくない。なので、そのネタの扱いがどうなのか、というのは評価できない。
できないのだけど、なんか、物語の流れに乗れなかったな、という感じ。
物語としては、渋谷の街で陸が、水星、その妹・金星と再会するところから。ところが、その直後、太陽フレアにより通信をはじめ、様々な機器が使えなくなってしまう。陸にとって水星は初恋の相手だが、すでに結婚、妊娠をしている状態。そして、陣痛が始まってしまう。混乱の中、水星を病院に連れていくべく動き出す。しかし、病院は非常電源でかろうじて動いているが心もとない。さらに、金星によれば、日本、それも東京にアメリカの人工衛星が落ちてくる可能性があるという……
そこでどう転ぶのかな? と思ったら、横須賀の米軍基地にあるはずの血液製剤を採りに行こう! という格好に。勿論、いきなり人工衛星をどうにかする、というは無理なのはわかるけど、人工衛星が落ちてくる、という大きな問題を提示した割に中盤までは、陸と金星が横須賀への道中というなんか、えらく地味な方向へ。しかも、金星は天才肌で、かつ陸は姉からの連絡とかを遮断し、いきなり姉の前から消えた存在だ、ということで出会った直後から罵倒の連発。ここで書いた背景よりも先に、金星の罵倒が始まるので、初見では「何だこいつは!」という感じになってしまった。
そこでちょっと入り込めなくなったのだけど、危機的状況下とは言え、横須賀へ向かうために漁師に頼んで、違法な出航をさせたりとかするので「うーん……」という気持ちが……。そうして、横須賀へ辿り着き、さらに、人工衛星の東京衝突を何とかするために……というのもちょっと強引な感じに。
そもそものところとして、空自のエースパイロットだったけど、政治的な問題で退職せざるを得なかった陸。さらに、人工衛星の落下にしても、国際問題を孕んでいる……という背景がありつつ、終盤、その国際政治問題がどこ行った? という部分があるし、道中で協力してくれた漁師とかも、その後のフォローなし。最後は、陸自身まで……と、何か、色々とフォローされずに終わった感がある。それを含めてB級映画的な楽しみ方ができる、と言えばそうなのだろうけど、自分にはちょっと合わなかったかな。

No.6940

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Tag:小説感想ガガガ文庫新馬場新

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