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マリスアングル

著者:誉田哲也

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BOOK☆WALKER

人事異動によって、メンバーが大幅に変わった姫川班。強行犯係として実績を残してきた魚住久江が加わる中、人形町の一軒家で死後数週間が経過した男性の遺体が発見された。廃屋となった建物だが、人を監禁するために改造が施され、指紋などの痕跡は消されていた。そんな中で聞き込みをする中、浮かび上がるのは……
姫川玲子シリーズ第10作。
ではあるのだけど、『ドルチェ』などの主人公・魚住久江が、姫川の部下に加わり、その双方の視点を通して物語が語られる形になる。著者の作品はスターシステムを採っているのだけど、本作もそれに近い形と言える。
以前から言われていた、姫川の天才的な嗅覚と、しかし、その分の危うさ。一方で、魚住の丁寧で、相手に寄り添うような聞き込み。対照的、とは言わないにしても、双方の長所というのが組み合わさっての捜査の進展というのは間違いないく面白い。名前は知っているけど、初対面に近い二人が、それぞれについて思うこととかも興味深いところだったし。
で、物語としては、人を監禁するために設えられたような場所から発見された遺体。ほとんどの痕跡が処分される中、姫川の提案によって思わぬところから大手新聞社の創業一族の人間の関与が明らかに。その新聞社は、大手IT企業による買収騒動などが話題になっており、しかも、その関係者もまた意識不明の怪我人になっていることが明らかになる。買収騒動による陰謀なのか?
うーん……
これ、もし、本作単独であればもっと素直に楽しめたんじゃないか、という気がする。ただ、一応、著者の作品をずっと追いかけている身としては、「またこの話題か!」という感じになってしまう。なんか、最近の著者の作品って、この手の話ばっかりなんだもん。
本作で登場する大手新聞社のモデルと思しき会社の報道については問題視されてはいる。実際、誇張とか、そういう部分はあるのだろうな、と感じるところはある。ただ、最近の作品はひたすらそういうネタばかりで流石に食傷気味。なんか、テーマの取り方がすごく狭くなってしまったな、という風に思えてならない。
いや、あくまでもエンタメ作品なんだ、という風に言われれば、その通り。社会問題などを取り扱った作品でも、何かメッセージを、というのは沢山あるわけだし。でも、エンタメ作品だからこそ、同じ題材ばかり続けられると飽きる、という感じだろうか。
姫川と魚住の対比とかは面白かったのだけど。

No.6971

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Tag:小説感想誉田哲也

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