著者:藤岡真
青森までの出張の帰り、保険調査員の直美は吹雪に巻き込まれ、事故を起こしてしまう。近くの町・津本町へと何とかたどり着いた直美だったが、そこでは、そこで発見されたという古文書を題材とした祭が行われているところだった。陸の孤島とか化した町での祭、そして、そこで不可解な事件が…
うはははは……。読み終わって、思わずそんな笑いがこみ上げてきた。
とにかく、途中までは読んでいて、これはどうしたものか、と思われるような展開が続く。「不可能殺人」というのは、ミステリ作品でもよくあるもの。例えば、容疑者全員にアリバイがある状態での殺人。密室殺人。…などなど…。けれども、本書で起こる事件は、ひと味違う。何せ、衆人環視の中、いきなり人が空中に飛ばされて、壁に打ち付けられて墜死。一瞬にして部屋が凍り付いて、氷に閉じ込められての死、などなど…明らかに「あり得ない」展開の連続。大丈夫か? と思わされながら進む物語。ところが、それが…
終わってみると、舞台設定そのものも、実は非常に計算されている、というのがよくわかる。よく言う「お約束」の展開、設定(故の欠点)などが、しっかりとその意味を持ち、終盤に生きてくる。その辺りの巧みさにうならされた。
登場人物が多くて、やや混乱を来したこと。決着の部分でちょっとごちゃごちゃしたことなどが、気になったのは確かだが、それでも、この着地の仕方には、「すげぇ」と思わされること間違いなし。人を選ぶ作品だとは思うけれども、私はこういうの大好き。
通算1331冊目

![]() | 六色金神殺人事件 (徳間文庫) (2000/12) 藤岡 真 商品詳細を見る |
青森までの出張の帰り、保険調査員の直美は吹雪に巻き込まれ、事故を起こしてしまう。近くの町・津本町へと何とかたどり着いた直美だったが、そこでは、そこで発見されたという古文書を題材とした祭が行われているところだった。陸の孤島とか化した町での祭、そして、そこで不可解な事件が…
うはははは……。読み終わって、思わずそんな笑いがこみ上げてきた。
とにかく、途中までは読んでいて、これはどうしたものか、と思われるような展開が続く。「不可能殺人」というのは、ミステリ作品でもよくあるもの。例えば、容疑者全員にアリバイがある状態での殺人。密室殺人。…などなど…。けれども、本書で起こる事件は、ひと味違う。何せ、衆人環視の中、いきなり人が空中に飛ばされて、壁に打ち付けられて墜死。一瞬にして部屋が凍り付いて、氷に閉じ込められての死、などなど…明らかに「あり得ない」展開の連続。大丈夫か? と思わされながら進む物語。ところが、それが…
終わってみると、舞台設定そのものも、実は非常に計算されている、というのがよくわかる。よく言う「お約束」の展開、設定(故の欠点)などが、しっかりとその意味を持ち、終盤に生きてくる。その辺りの巧みさにうならされた。
登場人物が多くて、やや混乱を来したこと。決着の部分でちょっとごちゃごちゃしたことなどが、気になったのは確かだが、それでも、この着地の仕方には、「すげぇ」と思わされること間違いなし。人を選ぶ作品だとは思うけれども、私はこういうの大好き。
通算1331冊目

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