FC2ブログ

(書評)先生と僕

著者:坂木司

先生と僕先生と僕
(2007/12)
坂木 司

商品詳細を見る


「お前の部活決めて来ちゃった」 大学に入って最初にできた友人・山田が勝手に決めてしまったサークルは『推理小説研究会』。「殺人」なんていう言葉を聞いただけで、色々と想像を働かせてびびってしまう小心者なのに…。そんなとき、知り合った少年・隼人くんから、ミステリを読む時間を確保するため、家庭教師ってことになってほしい、と頼まれ…
ミステリ好きで、聡明な少年・隼人くんと、極度の恐がりだけど、一方で優れた記憶能力を持つ僕こと、二葉が、身近で起こる事件を推理する連作短編集。
あとがきで著者が「ミステリ本ばかりが出る話を書きたかった」というように、それぞれのエピソードは、そのヒントとなるようなミステリが存在している。そして、それを最後に二葉に勧める、という形で起こる。その作品は、二葉に勧める、ということもあって、「怖くない」もの。そして、事件も殺人などはない。
けれども、実際の犯罪行為、というものは多いし、また、後味の悪いものも多い。そういう意味では、そういう事件に遭遇したり、しかけながらも、意外と危機感のない二葉は、「あれ?」という感じだし、反対に、どんどん首を突っ込んでいく隼人に危うさを感じたりする。そういうアンバランスさが面白いのは確かだけど。
ただ、全体的に地味、という印象はぬぐえないかな、という感じ。と、同時に、「推理小説研究会」に入ったのに、そこでの二葉の様子が殆どなかった、などというのもちょっと不満。二葉と隼人のやりとりが中心なのは良いのだけれども、もう少し周囲が固められていれば、もっと良かったのではないか、という風に感じた。他の坂木作品と比べると、ちょっと物足りない印象が残った。

通算1354冊目

にほんブログ村 本ブログへ



スポンサーサイト



COMMENT 0