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(書評)ゼペットの娘たち

著者:三木遊泳

ゼペットの娘たち (電撃文庫 み 11-3)ゼペットの娘たち (電撃文庫 み 11-3)
(2008/07/10)
三木 遊泳

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特殊なゼペット鉱を用いることにより、自らの意志を持ち、成長することのできる人形「機鉱人形」。作った人形がキャンセルになってしまったことで借金を抱えた「機鉱人形師」サツキは、その人形・ハリケーン、犬型人形・トルネードとともにマリスの街へ降り立つ。借金を返済し、ハリケーンに「最高のご主人さま」を見つけてやるために…
「温かい」 そんな言葉がぴったりとくる作品ではないかと思う。
人形にしか興味のない人形師のサツキ、そのサツキにツッコミを入れる犬型人形(傍目にはしゃべる犬)のトルネード。作られたばかりで知らないことも多いが、とにかく、サツキと一緒にいたりハリケーン。その3人を中心として、サツキを支援することになるロックハイム兄弟や、サツキが出会う人形師のニコと言った面々とのやりとりが、何ともほんわかとしており心地よい。まず、それを何よりも感じた。
高価な材料を使い、金持ちが手に入れることのできる「機鉱人形」。それを作る職人と、その人形自身。そのような世界観がしっかりしており、かつ、物語の中でちゃんと活きている、というのも好印象。「成長することができる人形」という設定の通り、何も知らなかったハリケーンが最後に、一歩だけかも知れないけれども成長した、というラストシーンも印象的。綺麗な結末だと思う。
ただ、ちょっと言うのならば、それぞれの個性は出ていたものの、ハリケーンは結局、傍観者に過ぎなかったり、また、ロックハイム兄弟の次男・ジンクの活躍とかもほしかった。彼らが、もう少し、活躍してくれていれば文句なしだったのだが。とは言え、それでも十分に面白かったのだけど。
この作品、ここで完結なのだろうか? それとも、続編が出るのだろうか? 綺麗なラストシーンだけに、これで終わっても良いと思う反面、もっと続きを読んでみたい、というのも思う。非常に複雑な気分。

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