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(書評)QED  ventus 熊野の残照

著者:高田崇史

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)
(2005/08/05)
高田 崇史

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熊野で生まれ育ったことを隠して暮らしてきた神山禮子。そんな彼女が、学薬旅行で熊野へと向かうことに。その中、同世代の薬剤師・棚橋奈々、桑原崇と同席することになり…
今回、これまでのシリーズと異なり、禮子の視線で物語が展開。崇に対する痛烈な視線であるとか、はたまた、奈々との関係に対する疑問であるとか、これまでのシリーズを読んできた人間としてはわかっていることなのだけど、それだけに新鮮にとらえられた。確かに、ぼさぼさの髪とか、その態度とか見れば、っていう感じだよなぁ…
今回のテーマは、熊野、熊野三山。神話との関わりがあり、しかも、参拝の順番も正式に決まっている。その理由とは一体何なのか? そして、その背景にあった歴史とは何なのか? そんなところを中心に解いていく。正直、神話の神々とか、そういうものの繋がりとかにかなり混乱したことがあるのだけど、結論部分とかは、なかなか面白かった。
また、時々、挿入される「独白」「告白」と、禮子の過去の物語。そことの関係。強引な部分があると言えばあるのだけど、仕掛けの決まり方と相まって、個人的には納得。無理矢理、事件とつなげる必要もないわけだし。
面白かった。

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