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2008/03/30 (Sun) 17:08
(書評)タロットの御主人様.。2

著者:七飯宏隆

タロットの御主人様。 2 (2) (電撃文庫 な 11-9)タロットの御主人様。 2 (2) (電撃文庫 な 11-9)
(2007/09/10)
七飯 宏隆

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「隠者」と「節制」のカードを封印して一週間。秋人は、取り付かれていた結夏、香澄に振り回されながらの日々を送っていた。そんな中、隣の名門女子高で不可解な「占い」と、それに伴う「事件」が起きていることを知って…。
うーん…1巻目もそうだったんだけど…どう見ても、結夏、「豊満ではないにしろ、普通の体型」をしていると思います…少なくともイラストを見る限り(せめて、その辺りはあわせようよ…)
作品としては、非常にオーソドックスなライトノベル、という感じ。解放されたタロットに取り付かれ、その能力を取り戻すため、手に入れたタロット(=能力を持った女の子)と共に戦う…と。そして、それを封印するのはキスで…。今回は、既に手に入れた形の2人で、やはり2人の少女と対決して…タッグ戦的な部分はまずまず…。
ただ…やっぱり、あまりにオーソドックスすぎて、インパクトは薄いなぁ、と…。そして、「C○さくら」だなぁ、と。
うん…なんだ…このペースで著者は全11巻構成でも狙っているのか、と…(ぉぃ) 前巻よりはそれでも素直に楽しめたんだけどね。

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2008/02/17 (Sun) 23:20
(書評)理由あって冬に出る

著者:似鳥鶏

理由あって冬に出る (創元推理文庫 M に 1-1)理由あって冬に出る (創元推理文庫 M に 1-1)
(2007/10)
似鳥 鶏

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僕の通う高校には芸術棟(と言っても、ただの古いだけの建物だ)がある。美術部員である僕もその一人。あるとき、吹奏楽部員の秋野から幽霊が出る、という話を聞いた。何故か、それを見極めることになった僕たちの前で実際に…。
学校の芸術棟に広がる2つの幽霊話。行方不明になった生徒が、幽霊として現れる、というものと、壁男が現れる、というもの。2つの事件を主人公・葉山と文芸部部長の伊神先輩、その周囲の面々による「にわか探偵団」でその解決を…という物語。
とりあえず、この「怪談」トリックの1つに関しては、読んでいてわかった。文体そのものもそうだけど、比較的、ライトなトリックなので、恐らく予想できる人は多いのではないかと思う。ただ、矛盾とかがあるわけじゃないし、しっかりとそこまでの道筋も示されているので文句は無い。意味深なタイトルの理由もしっかりとしめされるし。
ただ、その部分を含めた終盤の急展開っぷりはちょっと気になるところ。プロローグがあったので、何か関連するんだろう、とは思ったものの、ちょっと取ってつけた、と言う感じがしたのが残念。それが無いと、あまりにライト過ぎる、と言う気がするので痛し痒しなのだろうが。
まぁ、地味だけど、悪い作品では無いと思う。
…つーか、柳瀬先輩…の母ちゃん、すげーキャラだったなぁ(笑)

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2008/02/07 (Thu) 00:35
(書評)猫鳴り

著者:沼田まほかる

猫鳴り猫鳴り
(2007/08)
沼田 まほかる

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年を重ねてから妊娠した子を流してしまった信枝。そんな彼女の家の近くで聞こえる猫の声。生々しい子猫を遠くへ捨てに行く信枝だが、再び戻ってきて…。
と言うところから始まり、猫と、その周囲に纏わる3つの物語。
著者の作品って、デビュー作から、ミステリというタイプの作家ではなかったけれども、3作目の本作は完全にミステリから外れた。物語は、信枝・藤治夫婦の元へ一匹の子猫がやってきたところから始まり、3部構成の連作中編と言う印象。
鬱屈としたものを抱えた信枝を描いた第1部、衝動を抱えきれずにいる行雄を描いた第2部。これらが猫との関わりを通して変わっていく2つの物語も印象的なのだが、特に印象的だったのは第3部。
第1部から十数年。既に、妻・信枝は他界し、藤治とモンの生活。老境に入った二人(?)の生活。何があるわけではない、ただただの静かに老いていく。若い頃から全く手の掛からなかったモンと、それを見守る藤治。少しずつ、その生命の炎が消えていく。ただ「したいようにさせる」と言いつつも衰えていくモンに慌て、けれども、少しずつ、それを受け入れていく…。その葛藤、その心の動きが非常に印象的。
非常に静かに、けれども、強く心に残る作品だった。

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2008/02/06 (Wed) 01:21
(書評)死を通して生を考える

著者:中村博志

死を通して生を考える―すこやかな子を育てたいおかあさんへ死を通して生を考える―すこやかな子を育てたいおかあさんへ
(2006/04)
中村 博志

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正直、本書を読んで感じたことは、『子どもたちに伝える命の学び』(兵庫・生と死を考える会著)を読んだときと全く同じこと。つまり、全く信頼に値しない調査・分析で偏見を作り出し、ただの願望を効果と言い張っているだけ、と言うもの。
「一度死んだ生きものが生きかえることがあると思うか」
この質問に、「生き返る」「生き返ることもある」と答えたことから、著者は、現代の子供は生死観がおかしくなっている。昔は、身近に死があったが、それがなくなったからだろう。そして、その狂いが凶悪犯罪や自殺に繋がっている、と言う風に言う。そして、これを教えることで、自殺などを防げる、とも言う。
はっきり言って、ただの妄想、としか言いようがない。
そもそも最初の質問、あなたならどう答えるだろうか? この質問、実に難しいのである。というのは、「死とは何か?」「生き返る、とは何か?」しかも、「生き返ることがある」と極めて微妙な言い回しになっている。極めて曖昧であり、多様な解釈が可能なのである。例えば、この質問を「理科(生物など)」の時間でしたときと、「道徳」の時間で行ったときでも大分違うと思われる。生物学的に生き返らないと知っていても輪廻思想などから「生き返る」と言う人もいるかも知れないわけである(ちなみに、兵庫・生と死を考える、では一応、その辺りの留保はされている)。それらについて一切考慮することなく、「死の認識がおかしい」と断言してしまう(ちなみに、一番古い調査で95年なので、それ以前がどうなのかも不明)。
しかも、それが少年犯罪や自殺の原因と言い切るのも間違い。これらは統計を見れば、全くのデタラメなのが明らか。また、自殺などに関して言えば、「死んだら生き返らない」からこそ、行う可能性だってあるわけだ(死んでも生き返るなら、自殺しても再び苦しみに戻されるだけだろう) こういう部分が完全に、ただの思い込みである。
私自身の考えとして、「死のタブー化」が良いことだとは思ってはいない。また、「死」について考える機会を作るもの悪いとは思わない。けれども、本書のような全くの偏見と願望だけで行うのはどうかと思うし、また、著者の言うような「現代は病んでいる」というもどうかと思う(本書では、ゲームやマンガを生死観を狂わせる悪の元凶としているが、仏教の輪廻思想だとかは、最悪のものにならないだろうか? ゲームなども、それらを元ネタにしているものが多い) ちなみに、著者の講義の感想文を「効果」として載せているわけだが、講義後、「感想文を書きなさい」と書かされた感想文にどの程度、本音が書かれるのか私には疑問である。
著者の短絡さばかりが目立つ書である。

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